外つ歌:嵐の後で

 名前すら書かれない男が去った後、呆然とし、続いて喚きだしたのがバロです。彼は腹心のバルクが面倒くさそうに耳栓を付けるのに気づかずに、喚いて騒いで地団駄を踏みました。 --なんだったのだ……なんだったのだ! あれは一体……  さらに面倒くさそうにバルクは耳栓を外して口を開きました。 --リューンの姿がありませんでした。あれはおそら…

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外つ歌:踊る人形

 青い流星が煌めくと、次の瞬間には救国号が飛び蹴りかませて裏拳打ちからの膝蹴りで黒い触手の多くを叩き潰していました。  学習した触手が即座に腕や脚を生成して対抗し、救国号と四つに組むと、名前すら書かれない男は笑顔を浮かべて後は任せたと告げると機体から降りて触手の上を走りました。  一瞬のことになすすべもなく、触手に巻かれていたバロ…

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外つ歌:スタンダップヒーロー

 ballsたちは時間が足りないことを計算で確かめて機体完成を放棄すると、円になって盆踊りをして、英雄を呼ぶ大召喚魔術を使い出しました。  プラチナballsが意味不明の命題を出して、これに対してballsたちが無線通信の歌で答え続けていくのです、そのたびに円から上がる光が強くなっていきました。 --我らは戦う人を呼ぶ --傷…

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外つ歌:合間の歌

注意:本編は処刑指令 の直後の話です。 /*/  ヤガミは恋人と不本意な分かれ方をして、イライラしているところを、今度はシュニーマンに時間稼ぎとも取れる反論を受けて、輪を掛けて気分を害していました。  とはいえ、シュニーマンがこういう行動にでるであろうことも予想して、彼は先んじて青を送り込んでいました。名前だけでも海法と名…

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新歌集より:再生の失敗

 バロが弟に急使を送ると、すぐに急使が送り返されてきました。 --現在砂漠で人間への治療行為を行っており、急いでは向かえない。  そういう内容です。バロは急使を絞め殺しそうな目で見た後、自ら八本足の馬に乗って弟を連れてきました。  弟の名前をアーといいます。治療を邪魔されて苦い顔をしており、兄に対してこのように言ったと言います。 …

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バロの出会い

 青との間を竜が飛んで行ったとき、バロは目を大きく開けて絶技を唱えるのをやめてしまいました。竜の背に若い娘が乗っているのに気づいたのです。 --地、地べたすりがなんでこんなところにいる!?  地べたすりとは人間のことです。バロは動揺しつつも、思わず振ってきたその身体を青と抱き留めました。  痛そうな顔を浮かべる娘、静日を見…

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上級秘歌:青と黒の戦い

--剣聖バロ。黒の黒、とも言うな。  青は言葉を聞いて頷くと、口を開きました。 --僕は青の青。厚志。  バロは大笑いをすると、直後に手刀でいくつもの真空を作って周囲をばらばらにしました。青は剣鈴で真空を切って情報分解、そのままバロをどう殺すかと眺めました。 --冗談も大概にしておけ。青の青は俺の弟だ。お前のような美形の弟はおら…

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上級秘歌:青の攻撃

 ヤガミの苛烈な指示にシュニーマンは一度引き下がった後、穏健派の仲間の助けを借り、反論資料を作ってヤガミの元へ向かいました。  シュニーマン再度の訪問を聞いてヤガミは組み上がりそうな新しい希望号を見上げた後、面倒臭そうにシュニーマンの相手をはじめました。だいたいこうなることは、予想していたようでした。  一方その頃。  リン・…

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外つ歌:処刑指令

 ヤガミは帝國標準の新フレームであるオーロラに、落下時に傷一つなく焼け残った本来のオーロラ用リアクターである縮退炉を積み、脚部に二つの対消滅エンジンを組み込むと、頭部コクピット前席前に同じく焼け残ったプラチナballsをセットしました。  ballsは縮退炉を外部機器として認識するとその力と自身の体内工場の効果を発動させてまずは分身た…

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外つ歌:黒い二人組

 ユラ・フルムーンだけでなく、多くのピロット族は勘違いをしていました。草原にいる最後の避難民まで助ければ、あとは大丈夫だろうという勘違いです。  実際には、放射線被害など知識として知りもしない人物たちが、かなりの数草原にやってきていました。  他方、戦争を見に酔狂な見物客がやってくるとはピロット族の常識的に言って全くあり得ない話だっ…

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