注意:本編は処刑指令 の直後の話です。 /*/ ヤガミは恋人と不本意な分かれ方をして、イライラしているところを、今度はシュニーマンに時間稼ぎとも取れる反論を受けて、輪を掛けて気分を害していました。 とはいえ、シュニーマンがこういう行動にでるであろうことも予想して、彼は先んじて青を送り込んでいました。名前だけでも海法と名乗る者を、シュニーマンのような穏健派は殺せまいと考えていたのです。 −−それにしても、エーリとかケンジとかに続いて海法の偽物、つまり黒のオーマが敵、ということか。策術を弄しているようだが、さすがというか、低レベルだな。 そんなことを考えながらシュニーマンを追い返し、ヤガミは本題である山を攻略作戦に着手しました。整備は遅れているものの準備は順調、あとは突撃するだけです。 −−大変です! 戻ってきたシュニーマンに、ヤガミは全力で嫌な顔をしましたが、ため息をついただけで話は聞きました。 −−今度はなんだ。どうでもいいことだったらお前の尻は七つに割れる。 −−ド、ドラゴンが飛んできています。 ヤガミは長いため息をついたあと、シュニーマンを見ました。相手も嫌そうな顔をしているのを見て、少し機嫌を良くしました。 −−ドラゴンは今回味方だ、足並みを揃えている。 −−いえ、でも。 シュニーマンの反応にヤガミは眉をひそめました。偵察車輌の画像を受け取って顔をしかめます。 −−これが竜なものか。なんだ、このヤツメウナギの親戚みたいな金属物は。 −−竜を名乗っています。 −−バカも休み休み言え。敵かどうか確かめる。竜ならクェスカイゼスと取り決めたXバンドでのプロトコルがあるはずだ。一応通常通信の平文でも同じ内容で呼びかけろ。 −−分かりました。反応がなければ? −−敵、ということになるな。確かに現状は対空戦力が不足している。見事なエアランドバトルだ。 −−迎撃準備してきます。 ヤガミは頷いた後、背後の機体を見ました。 −−間に合わないのか。 |
<< 前記事(2019/02/08) | ブログのトップへ |