電網適応アイドレスSystem4

アクセスカウンタ

zoom RSS 外つ歌:後方のエース

<<   作成日時 : 2019/01/29 00:12   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 翌日になると後方の分析やそれに伴う整備関係者の大幅な増員もあって、エンジンの現地改修が始まりました。
 これにより、燃費は悪化しつつも出力が八%程度増加、結果惨劇の山は征服の山と言われるようになるほどクリア者が続出しました。数値にすると僅かな改修でしたが、ピロット族にとっては、その八%が生死勝敗を分けるくらいにギリギリで戦っていたのでした。

 エンジンの出力増加分、重装備を運搬できるようになり、昼過ぎには戦果もうなぎ登りになり始めました。前日の戦いで山を登った一部のプレイヤー、中でもザキシロやリンネ、和錆やライタは翌日も元気に、再度山の攻略に出ています。このあたりの面子になると周囲が震え上がるほどの猛者感があって全員がモヒカン感があったといいます。

 一方、二四人の勇士の中にはもう一度山に登らずに、情報収集に努めたり、後方に引き戻されたりしたピロット族もいました。JAMなどがその例です。その一人に水仙堂雹という人物がいて、この人物はリンネとほぼ同じくらいの速度で最速で山を越えた人物でした。

−−中々優秀そうだな。
 ヤガミと青から肩を抱かれて水仙堂雹は嫌な予感がしました。
−−その腕、生かして貰うぞ。
−−誰を倒せばいいんですか。
 水仙堂雹の返事に、ヤガミは書類の山を渡しました。
−−強いて言えば敵全部だな。お前のレポートは中々良くできている。その知識を生かして全体勝利のために頑張ってくれ。
 水仙堂雹の目の端で、逃げようとしていたJAMが青に抱きつかれて逃げちゃダメだよと壁ドンされているのが見えました。目も覆わんばかりの惨状です。
 おかげで腕の良いピロット族数名が前線を引き抜かれて数日事務スタッフとして仕事することになりました。

 この措置について、水仙堂雹は戦死を防いで戦力を温存するためなのかと、そんなことを漠然と考えていましたが、作業を進めるうちにいや、ここで僕を書類で殺すつもりだという気になりました。作業しても作業しても終わらなかったのです。
 作業の大部分はレポートの詳細を尋ねられて答えるものでした。どう戦ったとか、どんなところでアクセル開度をあげたとか、いくつかのルートがあるならどういう基準で選んでいたのか、などです。
−−こんなものどうするんだろう。具体的過ぎる気もするんだけど。
 水仙堂雹が不思議に思ううちに、苦労の結果が冊子になって回ってきました。それは運用マニュアルでした。
 エースパイロットにマニュアル作らせるなんて、と思いはしたものの、このマニュアルは実質的に各種の機材の効率や性能を上げる結果となり、配ったその日のうちから急激な効果を上げることになりました。数名のエースよりこの薄い本かぁと、水仙堂雹は感心するなり残念に思うなり、複雑な心境になりました。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

外つ歌:後方のエース 電網適応アイドレスSystem4/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる