電網適応アイドレスSystem4

アクセスカウンタ

zoom RSS 戦車戦の終わり

<<   作成日時 : 2019/01/13 22:22   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 背に地球光を浴びながら、ヤガミは星々の海を眺めていました。
−−総戦闘時間四二〇〇秒。一八〇秒どころじゃない。壮大なタイムオーバーだな。
 そう言うと、自爆シーケンスを作動、機体が圧縮熱で燃え尽きるように角度を調整すると噴射して、さらばさらばとメッセージを送りました。

 一方地上では地図と、双眼鏡と、手旗信号で、指揮系統を復旧させた青の軍勢が、再び不死者の軍勢を押し返しはじめました。三〇%近い損害を受けつつも、ひっくり返った装甲車を人力で戻し、続々と戦線に戻して機関砲でエアバイクたちを叩き落とし、超高速ミサイルで羊角の化け物を倒し続けました。

−−敵の右翼が縮退した。内側、装甲車部隊、外側ホバー部隊で迂回機動、包囲環を作る。
 ブルーラクーンは大声で怒鳴ると、温存していた決戦予備を全部投入して勝負を決めに出ました。

 包囲環をつくるための一番の外縁は、ホバー装甲車部隊でも特に機動力の高い者が選ばれました。名をかくたといい、眼鏡にメイド姿の素敵な殿方でした。大事なことなんで二度掻きますが殿方です。あと男の娘なんてかわいいものではありませんでした。

−−突撃ぃぃぃ!
 すね毛も涼しく風に揺らしてかくたはモップを前に突き出して、ホバー装甲車を四十五度の角度に傾けてかっ飛んで行きました。彼は包囲環を作る任務のついでに、敵の現地指令中枢を破壊する大役を担っていました。
 核兵器による大規模電子機器と宇宙戦の結果、電離層が一時的に乱れて無線が使えない事が予想されました。その時、敵は通信に寄らず、現地で指揮を執るための仕組みを構築しているだろうとブルーラクーンは考えていたのでした。
 かくたは味方もおきざりにしてすね毛とともにはためくスカートとともに、敵陣の頭の上を突破、そのまま敵の司令部になだれ込みました。

−−邪悪なる者よ、お前たちの天敵が来たぞ。

 すね毛とスカートをはためかせながらおっさんにそう言われたら、どんな悪人でも、こんな目にあうほど悪い事をしたのかと嘆息するに違いありません。実際エーリはえぇー、という顔のまま、声も出せずに硬直しました。

−−ミサイル、発射。
 全自動決め台詞詠唱装置をつけたミサイル四本が、高らかに戦いの口上を唱えながらエーリの腹を、頭を、脚を、胸を貫いて燃え上がりました。

 かくたは笑うと、周囲に迫る敵を見て、さあて、生き残りますかとうそぶきました。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

戦車戦の終わり 電網適応アイドレスSystem4/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる