電網適応アイドレスSystem4

アクセスカウンタ

zoom RSS るしにゃんとセイバーのバレンタイン

<<   作成日時 : 2013/04/29 02:09   >>

驚いた ブログ気持玉 12 / トラックバック 0 / コメント 0

 星が花火のように瞬いている。
 だからといって何もしない。それが、るしにゃんクオリティ。

/*/

 色々な出来事があって、色々な思いが重なって、色々な模様が生まれていく。その模様を写し取った長い絵巻をを歴史と言うのなら、このアイドレスにも歴史がある。
 るしにゃん王国の歴史もその一つ。
 るしにゃんもまた他の国と同じように悪戦苦闘し、時に泣き、時に眠れず、絶望に何度も膝を折られ、そうして今に至っている。

 るしにゃん王国では人が強い力を持つ毎にひどく苦しんでいた。強い力が、強大な魔を呼び込むためである。
 それで人々が力を持つたびに、時の為政者は力で弾圧し、あるいは知恵で諭そうとした。うまく行くことは少なく、魔ははびこり国民は減り、人心は荒廃し何度も滅びそうになった。
 それでも生きようとした結果、この国は他に類例を見ない解決法で安定を取り戻した。

 仕事をしない。である。力を持っていても使わなければ問題は起きないんだよという、コペルニクス的発想の転換である。
 鷹臣やクレールが苦しみながら七転八倒するうちに、なんとなく答えにつきあたり、黄にして銅のイヌヒトが教えを広め、戦死者を祀る神社を置かせて貰っている関係で税金と作物を毎年送ってくる土場藩国の国民性がるしにゃんの設定国民に影響を与え、そうして長い時間をかけて人々の心に、仕事をしないのが勝利という考えが根付いた。

 仕事をしたら負けだと思っている。そんな国と国民の誕生である。
 高物理域では破綻間違いなしの国是ではあったが、低物理域で自然の恵み豊かな彼の国はそれでどうにかなった。
 他国よりはずっと歩みは遅いが、それでも仕事せずに人口が、幸福度が、増え始めたのである。

/*/

 鷹臣の来須は微笑んだ。森に、青い精霊達が降っている。遠くで莫大な魔力の移動が発生し、力づくでワールドタイムゲートが開かれようとしている。

 来須は自然に倒れた切り株の上に座り、精霊達を見上げた。精霊たちを使役する全身の回路、精霊回路が淡く輝いたが、来須は何もせずに、ただ微笑んだ。帽子をかぶりなおし、妻に貰ったチョコなどを食べた。
 彼は勝ったのである。力の誘惑から、正義という名の悪の誘惑から。

 魔法で飛べば一瞬の旅を、来須はゆっくり歩いていくことにした。
 梢を走るネコリスたちが来須を追いかけて走った。

/*/

 ヴィクトリーはFEGの風景が変わっていくのを見ながら、情報分解をはじめていた。
 FEGは滅びずターン18になった今、歴史は改変され、ヴィクトリーは存在する過去を失ったのである。
 やったなあと、ヴィクトリーは微笑んだ。なんだ、歴史の一つぐらい、がんばればどうにかできたじゃないか。

 涙まで情報分解していくなぁ。
 ヴィクトリーは笑って再生していくFEGの風景と消えていく自分を見た。

/*/

 殺風景なオフィスは、そこが戦場だったかのように荒れ果てていた。紙の資料には火が放たれ、PCは叩き壊され、ついでに窓まで壊れている。もっとも最後のものは事故だった。
 豪華な金髪の女、スティファニーが最後の資料に火を放った。隅っこの事務机で仕事をする事務職のような男を見る。
「司令、そろそろ最後の部隊が日本を離れます。我々も帰国しましょう」
「ああ」
 包帯に巻かれた事務職のような男の名をゼクトールという。日本派遣軍セイバー、その最優秀な司令の一人である。
 ノートPCを閉じ、よろよろと立ち上がるゼクトール。片耳は良く聞こえず、頭が痛い。砲弾の破片は全部摘出出来ておらず、それが神経を圧迫している。
 肩を貸し、杖代わりになるスティファニー。ため息をつくかと思いきや、微笑んだ。

「そう言えば今日、司令宛にチョコが届いていました」
「ステイツからか?」
「いえ、日本だと思います。日本語で書いてありましたから」
「毒殺を狙っているのかな」
「日本解放戦線が、ですか。まさか。この戦争は彼らの勝ちです」
 ゼクトールは皮肉そうに顔を歪める。個人的には、負けてやってなどいないつもりだった。しいて言えば少しだけ、人の頭数が足りなかっただけだ。
「じゃあ、誰だ」
「シンパだと思います。偽名を使っていますね。クレール、という名前らしいですが」
「なんだか懐かしい気もするが」
 うっすら血のにじむ包帯に手をやり、ゼクトールはうなった。糞め、カラスのぼんくらども。
「傷に障ります。話題を振ってすみませんでした」
「いや、何か考えていた方が痛みも紛れる」
 ゼクトールはそう言って笑った。スティファニーは微笑み返した。
「頭が混乱している。俺は誰だ」
「ゼクトール。ゼクトール・O・オギュースト。私の恋人にして司令」
「恋人は余計じゃないか」
「混乱していないじゃないですか」
「今すっきりした。一瞬だけな」
 ゼクトールはそう言って何かを掴むように右手を動かした。それが何かを思い出せない。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 12
驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた
ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
るしにゃんとセイバーのバレンタイン 電網適応アイドレスSystem4/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる