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zoom RSS バレンタイン小説 序

<<   作成日時 : 2013/02/22 13:17   >>

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バレンタイン小説 序
 遥かなる虹の橋の向こうには、広大無辺の宇宙がある。当代、宇宙と書いてネットと呼ぶ。そらと呼ぶのも、うみと呼ぶのも、もう古い。
 その宇宙には聞いた者が嘘だろうと断じるようなそんな領域がある。名を、アイドレスという。住民たちは自らの領域をさしてtera領域と呼ぶことが多い。
 そこは、聞いた者が嘘だろうと断じるようなプレイングをしてきたぼんくらプレイヤーたちが、長い長いプレイ時間をかけて作り上げた文字通りの異世界である。

 まずはそう、チョコを届けるためにはこの異世界の力を借りねばならない。

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 遥かなる虹の橋の向こうには、広大無辺の宇宙がある。ゲート通過後、通常空間に戻って減速すれば、星々だと思っていた数多の光が、宇宙艦船群の噴射光であることに気付くだろう。
 数万の艦隊が惑星teraの高軌道で並んでいる。血流のように見えるあの光は、艦と艦をつなぐ連絡艇の噴射炎である。この数万の艦隊は凍結にあらず、今も生きていて帝國の、そしてプレイヤー達を待っている。

 一艦に近づく。全長二kmの中型戦列艦である。艦を貫くように設置された主砲がいかついが、全ての艦には宇宙では舞い上がるばかりでちっとも落ちないピンクの花が紋章として描かれている。

 Flores valerosas bonitas 〜麗しき勇気ある花たちの国〜
 FVBの藩王、さくらつかさの紋章である。単独で二万隻の宇宙艦隊を持つこの国は、キノウツンに並ぶ披攻撃回数国であり、同時にるしにゃん王国すら越える滅亡判定最多国の一つである。何度も絶滅の危機にあいながらそのたびに花たちは花園を広げ、民を増やし宇宙開発を行い、そうして今の位置にある。

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 バレンタイン用チョコの輸送任務には、新造の偵察艦があてられた。
 普段は戦列艦に収納される一五〇mほどの小艦であり、艦長には大尉がつく。
 武装は少ないが快速を誇り、かつての冒険艦相当の戦闘力、機動力を持っている。
 設計思想の違いから共和国と違い単独によるリンクゲート接続機能を持っており、調達価格は高かったが帝國軍人的には人気であった。投射されたら、基本動かせないボールのような共和国輸送艦よりも、自分で好きなところにいけるほうが軍人の多くが持つ幼児心をくすぐるのである。

 艦の名前を、コンパスローズと言う。花の名前に見えてその実は羅針儀のことである。このクラスの小艦になると無理につけたような艦の名前が多かった。

 鳳のような優美なブレンテッドウイングボディ機だった。この形は、地上すら行動範囲であることの証。
「大尉、どうですか。新型艦のキャプテンシートの座り心地は」
「そうですね。汗と小便で臭くならないとわかりませんわ」
 部下から尋ねられ、笑顔で一六歳の艦長が言った。さすがは骨の替わりに竜骨が入っている種族の人だと部下は恐縮し、勤務に精励した。

 彼女は自分のために遠い誰かから送られたチョコを宙に回すと、艦長帽を深くかぶって長い黒髪をひっつめた。息を吸う。
「コンピューター、トラクタービーム」
「トラクタービーム。レディ」
「目標0−0−0。二〇秒後。空間歪曲点。丸くてかわいいロボット」
「カウントダウンはどういたしますか?」
「省略して」
「OKキャプテン。突如現れた金色のBALLSをトラクタービームでキャッチしました自然現象によるリンクゲート解放のようです」
「舵そのまま、1/2増速。主動力に火を入れろ」
「舵そのまま」
「1/2増速。予備機関である対消滅エンジンの出力が定格に達しました。縮退炉に火を入れます。リンクゲート構築まで70秒」
「総員対ショック対閃光防御。メインスクリーン、装甲展張」
「絶対物理防壁展張。センサー類ブラックアウト。確率論ゲージに入りました。慣性航法不可能。ここから先は艦長の超能力だのみです」
 艦長は微笑んだ。
「愛を信じます。今から総隊座標を感覚出力します」
「イエスマム」

 リンクゲート突入したコンパスローズは長い噴射炎を引き延ばしてそのまま消失。FVBを離れていった。

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