濃紫から口紅のような茜を残し色変わる空を見上げ、虫の音で騒がしいほどの河原に下りる。
足下の丸い石が悠久の水の流れを思わせた。
浴衣にも、異国の装束にも思える服装で、クーリンガンは、ゆっくりと歩く。
遠く、あちらの世界から太鼓の音がする。世界の距離が狂いだしている。
微笑むクーリンガン。七人の戦士は、選ばれたのだろうか。
クーリンガンは河原に陣を敷き、護摩を炊き上げ、綺麗に鉤召法の印を結びだした。
上がる炎、昇りゆく煙。
”この河は、天の河の映し。牛が作りし乳の河。”
にわかに河が乳白色に染まり、天の星々を映し始める。