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zoom RSS パート15

<<   作成日時 : 2011/03/08 20:53   >>

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 何もかも普通の国だけど、満天星の春は、それは見事な物でした。

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里樹澪は、山の斜面に深い黄色と赤の花が咲き誇るのを見ながら、そうつぶやいて微笑んだ。

どこまでも花が続いている。

 帝國最大の反重力マシン供給国、満天星藩国には道が無い。
実際にわずかな散歩道以外では舗装道がない。

だから花も草も、たいてい好き勝手に生えて、風に揺れている。

里樹澪は、チョコを抱え靴を脱いで裸足で歩いた。
反重力機器の普及が進んだこの国では、地面は踏みしめるものではない。そっと傷つかないように触れる所である。

 ヒルデガルドが、オンサが、ピケ工場長が、長年大切した結果の風景。

澪は庭にテーブルを出す妹人に声をかけた。
いい微笑みが返って来た。

「みんなにチョコを贈ろうとおもって」
「ふうん」

 妹人は特に異論がない。笑ってうなずきながら、茶を入れた。

「理由聞かないの?」
「悪い話じゃないんでしょ」
「そうだけど」

澪は妬いてくれるといいんだけどと、言おうとして苦笑した。
これは信頼されていると言うべきだろう。

「今年の春も、綺麗だから」

妹人はティーポットをもったまま澪を見て、そうだねと優しく微笑んだ。

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 FVBの街の明かりは、毎年減少し続けている。
それに伴い空気は澄んで、静かな夜には星が良く見えて、人間よりはるかに多いカエルによる合唱が聞こえた。

星の数が、増えている。

 今年、FVBは全ての奉行所、工場、政庁機能までを宇宙に移転させた。
あの夜空の瞬きは、全てこの地上から生まれた光だった。その数3000万を超える。


 きみこは、夜を歩いた。
かつての仇敵クーリンガンを奉る神社にチョコを献じ、かつてから味方であったカエルの神々にもチョコを贈った。

こうして生と死、光と夜は和合し、一つになった。

静かな夜には輝く星々が天を飾り、暗闇の中でカエルの鳴き声がたくさん聞こえている。


空先生に届きますように。

きみこは神社で祈念した後、酒を送った。
今度はどうだろう。うまく届くだろうか。

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 海法よけ藩は、森に覆われている。長い長い時の果てに、よけは森の国に戻った。
本当に、長い長い、時の果てに。

 今はもう、夜空も見えない。
それが、心地いい。この国で太陽は木々のもの。どうしても太陽を浴びたければ、ひと手間かけて木を登ると良い。 その手間の代わりに、木々は気分を良くする爽快の風をくれる。

 よけ藩の森沢は熟慮の結果、海法が加護を無駄遣いしそうなので送るのを見送った。
まあ、がんばれと思う。できれば手間がかからないならそれが一番ですと思った。

全弾命中の勢いである。

かわりに、森に集うネコリスたちに、チョコをおくった。
チョコをかかえてネコリスたちは、にゃんにゃんちゅーと言った。
森沢は微笑んだ。

良く襲われてごめんなさいと思う。

森国には、なにかがある。それを調べて行こう。
せっかく戻った、この森のために。

その後で森沢は、照れながら彼女の騎士にチョコを贈った。
返事は直ぐ来るだろうと思ったが、テンダイス掲載だけは許して下さいと頼むつもりである。

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 ミサは南の海岸ですねていた。
かなり本格的に拗ねていた。もはや電話、いやデートしないと復活しない勢いである。

これを受けて速攻ミサヤは宰相の頭にデートチケットを叩きつけた。
これまでの美しい景色の話が台無しである。せめて海岸の説明がしたかった。

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