パート1

//アイドレス

 ヤガミ・ソウイチローはウサ耳型ヘッドホンをゆっくり取りながら、耳に聞こえていた歌の続きをつぶやいた。

「愛している、愛している、愛している……」

反対側の席に座っていた川原の昇が、宇宙人ボンボン型ヘッドホンを素早く取りながら、眼鏡にI LOVE YOUのネオンを映した。眼鏡の上を文字が流れている。


 続々と、背後のヘッドホン装備者達がヘッドホンを外しながら立ち上がる。

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「実際のところ、なんで共和国でインフレが起きたんですか?」
「調査中ではありますが、本質的には経済専門家の不在と景気刺激で金ばらまきすぎが……」

 映像が乱れた。

次に画面に映ったのは、ヘッドホンをゆっくり外しながら白い帽子をかぶる日向玄ノ丈だった。

「美弥、見えているか?」

 映像が、また乱れる。

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 キノウツンはマーブルチョコにまみれていた。
沢邑勝海という人物がチョコテロリストとなって、上空からチョコをばらまいたのである。

高原家では鋼児という末の息子と、みかんとりんごという貰われ子がチョコ集めにせいを出していた。

拾った物は食べてはダメと、父や母に言われるのが常だったが、この日は絶大な発言力を持つ父が……事情を知る第7世界人が、いいぞと言ったので、喜んで集めて回っていたのだった。

父は苦笑した。 妻も自分もチョコを作っていたりする。
これから数日、お菓子に困る事はなさそうだ。


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 管理委員長なおみが、ニューワールドを70周する勢いでチョコを渡す理由を考えたあげく、そう、拾ったんだからね! でいこうと勢いよく歩き出したのは、やっぱ今日はやめようとか家に戻った20秒後だった。朝からこの人は、ずっとそんな感じである。

 そして昼過ぎ。

 なおみは、目当ての男、管理番長小宇宙が文字通りマーブルチョコを山ほど拾って食べているところを見て、泣いて走って逃げた。また戻ってくるかどうかは、不明である。

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 青狸家は、家族総出で風呂桶にマーブルチョコを入れてチョコ風呂だと喜んだが、実際入るとべとべとして気持ち悪く、主人をしてもったいないことをしたとつぶやかせた。

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