パート7 (ビター)

//アイドレス

 一方その頃。ゆり花は、いじけていた。
本当は部屋の隅でいじけたいのだが、微熱があるのでベッドの中である。

兄さん、ひどいです……

などと、涙目で思う。

実際ひどい男である。千葉昇は。と、周囲はかなり本気でマジ説教であれはやめれ、あれだけはやめれと言うのだが、そう簡単に気持ちが切り替えられるわけもなく。

ゆり花、寝返り。

ついでにそのまま、寝てしまった。がっかりである。

起きてフルセットの朝食を見たときはびっくりした。
兄さんだと直感したが、同時にいぢわるされると警戒し、片目づつで周囲を見る始末だった。
またお見合い写真が送られてくるかと思うと、がるるるだったのである。

意外に本気でトラウマなのだった。

料理を前に考えるゆり花。もちあげて、皿の下を見てみる。
カーテンの裏を見てみる。まさかと思ったが、椅子の下も見た。

……何もない。

料理はすでに冷めていた。ゆり花は何もしなくてもいぢわるです、兄さん……!と、新手の文句を思いついた。

ついでに顔見れなくて、かなりいじけた。こちらは朝食の後の話であった。

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吾妻勲は時雨と並んで海に花束を流した。

んなわけあるかと叫んで時雨を殴る。だが殴ったのはGENZだった。超能力なんてチャチなもんじゃない、悪夢だ。そう、悪夢。

体中を汗だくにし、吾妻勲は目をさました。椅子の上で、うたた寝していた。
一応本人の名誉のために述べれば時雨(PC)は、うわあ、僕のAIが本当にすみませんと謝ってきていたのだが、吾妻にとっては、あの生活ゲームは意外に本気でトラウマなのだった。

 そして届かないよねと思いながらチョコを送る。あれ、これ、花流すのと同じじゃねと思い始めたら、泣けてきた。

里美さん……

吾妻勲は思った。
いつか、いつか必ず、取り戻してやる。俺はあきらめてないぞ。

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一方その頃。

 ダガーマンはダガーを壁に突き立てて車を制動させた。筋肉が盛り上がる。
だが車一両分の重量は無理。
そこに海法の手がかぶさった。

「協力パ」
「おい海法邪魔!」
最後まで言わせず、ダガーマンは海法を蹴っ飛ばした。
だいぶ調子出てきたダガーマンである。

タイミング良くブレーキを踏む小カトー。車が急回転する。

「大丈夫だ。俺にはまだ涼華さんの加護がある」
「憎い……俺は海法がにくい、こんなヘタレプレイして俺たちの海法が帰ってきたと皆に言われるお前がにくい」
「ぜくやんもやればいいじゃん」
「もったいなくて出来るかぼけ! 送った方の気持ちをマジ考えろ」
「えー。役立てたがいいと思うけどなー」

海法は鼻血を出しながら言った。目がぎょろりとしている。

「死ね、死ね」
 大統領になってこっち、封印していた言葉を連発して是空はダガーを回した。武器を持って言うと、意外に本気で犯罪くさい。

海法は流れを無視して口を開いた。
「でもこうして世界接続が再度できて多岐川を助けられたという事は、他も出来そうなんじゃね」
「それは俺が大事にとっておいた台詞だバカ!」
「そんなの聞いてないよぜくやん」
「うるせー!」

 是空大荒れ。だが、調子はだいぶ復活した。サッカーゲームで心の汗を流したせいかも知れぬ。

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