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<<   作成日時 : 2009/12/17 16:19   >>

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 皇帝は、長い足を組んで子供を抱いている。
この人物は、ひどく子供が好きである。そのくせ自分で子供を持つことはなかった。

皇帝は、この日も帝國貴族、風野緋璃、ーー今は改名して緋璃・ロッシとなっているーー がその政治力を駆使して建てたたくさんの孤児院の一つに現れ、むずかる子供の一人を縦だっこしていた。

そこに音もなく近づく老人。おざなりに頭を下げる。

「先ほど、涼州藩国が戦闘に入ったようです」 宰相、だった。
「援軍は?」
「すでに動いております。第七世界人も、それ以外も、ともに」

皇帝は少し笑った。昔、一五年前にteraに来た時には、皇帝もあれこれ面倒をみたものだった。最近は、暇を持て余している。

「昔、第七世界人批判をする団体があったな」
「セブンスフリー、でございますな」
「彼らはなんというだろうな」
「都合が悪ければ過去はなかったことになるのが、民衆です。陛下」

宰相の意見は、帝國の帝國らしい見識というものではあった。
帝國には、民衆に期待してはならないという、厳とした方針がある。
苦笑する皇帝。
「セブンスフリーと戦って追い出したのも、民衆だと思うが」
「は」

「わかっているなら、よい。私がやることは?」
「特にございません」
「わかった。下がってよろしい」

宰相は下がった。
皇帝は考える。それにしても、宰相は相変わらずだ。
あれだけは、何年たってもかわらない。今や、なにもかもが変わっているというのに。

皇帝は少し笑った。昔、一五年前にteraに来た時には、皇帝もあれこれ面倒をみたものだった。最近は、暇を持て余している。

思えば共和国の蹂躙と併合をあきらめて、共同戦闘を指示した時点で皇帝としての自分の個人史は、終わったのだろうと思う。

自分には野心があった。だが、あの数の民衆を引き替えにするほどではなかった。それだけの話だろう。

おかげで、帝國史に自分の名前が残らなかったのがいいことか悪いことか、わからない。

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 ポチ、危篤と連絡を受け、不安定なteraを安定させるために皇帝自らかけつけてから、十五年。

その間の帝國の発展はすさまじい。

帝國の諸組織は整えられ、善王による善政が増え、治安は高く、国民は武器を取り、自国を守った。

 なによりも第七世界人が、かわった。
かつてのアイドレス1の頃の帝國の姿はもはやなく、そこには強い帝國の姿がある。


まあ、潮時だな。

皇帝は子供ににこっと笑って見せながら考える。

皇帝の座、今なら譲っても、問題はあるまい。

皇帝にとってもっとも重要なことは、当極してからの数年と、退位の見極めである。

帝國では多くの問題は、代替わりに起きるのであった。

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