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zoom RSS アイドレス小説1030 /漫画コンクール課題文

<<   作成日時 : 2009/10/31 01:14   >>

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 以下、アイドレスプレイヤー商業化計画の一環としての課題文です。
公共事業に応募したプレイヤーは,以下文をもとに、マンガを作成していきましょう。まずはキャラ設定にネームからです。詳細はアイドレス・ハローワークからおたずねください。

#それはそれとして、以下の文章は通常通り小説として読むことが出来ます。



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 磯貝みらのは、日々を楽しく過ごしている。

鏡の前で唇を突き出してキスな表情をしたり、それをバカだーと、大笑いするくらいに、人生を楽しんでいる。

前髪をお気に入りの髪留めでとめ、ウインク。
次に意味もなく自慢のポーズ。ふふん。ご陽気な音楽に合わせて腰をまわした。

調子が出てきたらしく、みらのは高校にいくことにした。
みらのは今、学校が熱い。

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 迷宮の扉をみらのはあける。

この迷宮にドアは少ない。数少ない光源が、ドアで遮られるのがもったいないからだった。
それでもそこに扉があったのは、ここが特別な部屋に通じるからである。

「聞いて、じじい。大変よ」

特別とは、中に入っている人物たちを言う。
みらのの言うじじいは、藩王とカードゲームを楽しんでいた。なんのことはない。世界のどこであろうとも、テストプレイは欠かさないのであった。この人物も、また、魔術師である。

みらのはとりあえず自分も席に混ざってルールを教えてもらうことにした。
 遠慮がないのが、みらののいいところである。時々はうざいと言われることもあるけれど、みらのはここ最近、自分がかわいがられていると、確信している。

それで、恥ずかしそうに笑って言った。

「きった、またきたよ。ラブレター!ぎゃー」
「それはすごいね。ははは」

じじい、余裕の貫禄。目はやさしく笑っている。年少者の自慢話をすごいねと笑ってうけられるところが、この白髪、白髭、光剣を持つ人物のいいところだろう。

「それで、どうするんだい?」
とは、じじいは聞かない。にこにこ笑って言葉を待っている。

みらのは、不意におろおろしだした藩王、火足水極を見て嬉しそうに笑うと、もちろん、つきあったりはしないわよと言って藩王とじじいを安心させた。 実際は下級生の女子からきてるのだが、みらのは、そういうことは聞かせないのである。 あるいはじじいは推察しているのかも知れないが、それはそれで、みらのは嫌いではない。

「いいのが来るまで、私、待つんだ」

みらのがそう言うと、じじいは笑いながら何度かうなずいた。それがいい、という。
このじじいは、せかしたりしない。残りの時間は、誰より短い。だが、逆に、それゆえか焦らず、悠然と微笑み、いつも静かに、時を待っていた。攻勢に転じる、その時を。じじいはいつも、それをまっている。本当のとこは焦ってもいたが、人にけとらせるような、ことはしない。

みらのはじじいの表情をじっくり観察したあと、にこっと笑った。

「大丈夫、ひ孫くらいは見れるって」

じじいは微苦笑した。60年は下のお嬢さんが、自分を見透かしているようだと思い、やはり女性はつよいね。男性は君、その手のひらで踊るべきだよと、火足に言った時のような顔をした。

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2時間後。

 みらのは腕を組んで歩いている。
ゲームは5勝7敗だった。いや、そんなことは悩んでいない。

悩んでいたのは、別のことだ。

「私、オケ専かも知れない」
いつの間にか隣を歩く、深夜は妙な顔をした。この人物、みらの世話をあれそれ面倒を見る、ボーイッシュな女性である。
「オケ専ってなんですか? ガンオケ?」
「棺桶専門」

しばらく考える深夜。
「もう全然しゃれにならないのでやめたほうが」
「そういうアンタのほうがすげー失礼だと思う」

深夜はまた考えた。
「・・・そうですと言ったら負けというか失礼のような気がします」

みらのはきいていない。顔を赤くして自らの悩みに、頭をかかえた。
「あー。それにしても、ほんとどうしよう。最近藩王とかちょーかわいくてさー。うわ、なんてヤバイ属性なんだろ」
「藩王さまはいつもかわいいと思いますよ」
「あれ。仲間?」
「いえ。それはないです」

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 風を呼ぶには、風の名を呼びなさい。

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 オタポンは風をプログラムしていた。
地球の大気を計算し、ホラグラムの中の雲を動かし、その中に小さな機体を描いた。

風のプログラムにあわせて木の葉のように揺れ、舞う飛行機。バレルロール。人の乗っていたら出来ないような機動。

「綺麗だね」

 オタポンの傍らで、小さな亜細亜はそう言った。電子妖精をアバターとして、もっぱらオタポンのそばにいるのが、亜細亜の日課であり、日々であった。

ゲームの亜細亜は迷宮に囚われ、本物の亜細亜はまた学校に行きたくない病気にかかっている。理由はアイドレスだった。イラストで描いて貰った自画像の肌が白すぎて倒れ伏し、ドレスが白いので、それでもう、駄目だった。夏服のブラウスがドレスを思い出させ、それで、夏前から学校にいけていない。

それで、毎日をオタポンの傍で暮らしている。アバターという3頭身の小さな写し身で、朝起きてから、寝るまでの大部分を、亜細亜はオタポンの傍にいる。

 オタポンは、何も言わない。最初の日だけ、いつまでも帰らないので驚いた気がしたが、それからあとは、何も言わない。気にしてないだけかもしれない。でも、そうは考えないようにしようと、亜細亜は思っている。本当に気にしてないことが分かったら、その時は死のうと、思ってる。そんな人生はいらない。

「綺麗だね」

 亜細亜は、もう一度言った。自分が死ぬ足音が少しづつ、大きな音で聞こえてくる。

「綺麗か? まだ綺麗じゃないような気がする」
返事にはしばらくかかった。 間断なく聞こえるキーボードの音。作業しているのだろう。
亜細亜は足音が遠ざかるのを聞いたあと、そっと、オタポンを見た。

「そう?」
「もう少しで綺麗になる」

オタポンはプログラムを書き直した。より複雑に風が吹き始め、雲が散り散りになる。空に比して、あまりにも小さな機体は、いまや大海の中に浮かぶ木の葉のようだった。

「これならまあまあだな。綺麗ってのは、動きの中にある。さっきの流体シミュレーションは、あまり綺麗じゃなかった」

言ってることが半分もわからず、亜細亜は恥じて下を見た。聞きたかった言葉が、そうではなかったせいだとも思うが、亜細亜は、も何も言えなくなっていた。

オタポンは何を勘違いしたか、不機嫌そうに蒼龍から眼をそらした。
「悪かった」

亜細亜はちょっと嬉しい。下を向いたまま。顔を赤らめて微笑んだ。

「そっちにいけたらいいのにね」
「何故?」
「キスできるから」

「……そりゃまた、お前には似合わない言い方だな」

リアルで不意に涙が出てきて、亜細亜は自分でもびっくりした。
両手を顔に当ててないた。アバターがあわせて泣かなくて、本当に良かった。

胸が、痛い。

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