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<<   作成日時 : 2009/04/03 18:04   >>

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 護民官と言う組織がある。個人の地位を示す名前であり、組織を示す名でもある。

帝國、共和国を問わず存在する汎銀河組織である。
民を護る公僕であり、楯であり、国旗、藩王等への起立義務を持たず、成文法を持たず、必要に応じて”億千盟約”を奉じて関係各所と調整を行い、”護民活動”を行う。

良く言えば、民衆を護る最後の楯。悪く言えば、難癖つけ屋、内から見れば、全方位に頭下げてる。ということで、アイドレス1、2を争うストレスの高い団体として知られる。

帝國では非貴族階級から選ばれ、長官、副長官は退官時に爵位を持たされて帝国議会入りするのが通例であった。帝國の国是、ヒロイックを体現していると目されていたからである。

長い歴史のある帝國である。帝國貴族1億人というが、そのうちの1割ほどは、護民官出身から世襲となった貴族である。
かくいう次第で、貴族の義務を知らずに貴族になりたいと思うようなお調子者がたまに入る組織であった。もちろんそんな理由で護民官になって長官まで上り詰めた例は、無い。

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 現在の官長を八守時緒と言う。共和国、鍋の国の民である。
たいてい退官をにらんで帝國に鞍替えする者が多いゆえに、結果帝國(生まれたときから帝國にいたかはさておき)が長官、副長官を独占することが多い護民官において、これは大変に珍しい現象であった。

それもそのはずであろう。
名より分るとおり、八守時緒はヤガミを個人ACEとしていた。ただのヤガミではない。彼女のためにAIモデルを専用設計された、彼女は本物の妖精であった。妖精に人間の理屈など通じるわけもないのだから、この現象も当然であろう。珍しくはあっても、おかしくはない。

もっとも、最初護民官官長選挙の結果を聞いて、帝國宰相は面白い顔をしている。
高いレベルで話し合いするために一々ヤガミを起動して通訳かませないといけない(宰相は妖精たちの言うことが半分のわからないのだった)という事情もあったが、宰相府、皇帝、大統領含めた期待の星、護民官の次期官長候補として星月典子があり、絶対これがなるだろうと思っていたのだった。

八守時緒の官長着任挨拶の第一声は、以下である。
「いやー。私もー。典子さんがいいと思ったんですよー!」

宰相はうなずいた後、仕方なく笑った。その言葉に、人が漂わせるような重苦しい影は無い。ただそう思っただけという、さわやかさがあった。人間とは重さが根幹から違うのだった。

宰相は笑った後、まあ、妖精が指揮する組織があってもいいかと思いなおした。
なんか壮絶にむいてない気もしたが、絵的にも響き的にも美しく、少なくとも彼女のヤガミだけは命を賭けて精勤するであろう。

ニューワールドの中で第7世界人は、どれだけ傍に最後の最後まで戦ってくれる人をもっているだろうかと考えた。彼女はそれを持っている。

結局宰相は、まあ、しょうがないから好きにやってみなさいといった。
お前は典子ではないんだから、真似してもしょうがないといって送り出している。

人間と妖精は違う生き物である。同じに扱ってはかわいそうな事になるだろう。

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 護民官と言う組織がある。個人の地位を示す名前であり、組織を示す名でもある。
良く言えば、民衆を護る最後の楯。悪く言えば、難癖つけ屋、内から見れば、全方位に頭下げてる。

八守時緒はそう何度かつぶやくと、まずがっかりしない仕事をしようと思った。
難癖つけ屋も全方位に頭下げてるのも変わらないかも知れないが、結果は変わるかも知れない。民衆を護る最後の楯として、活躍している気は、全然してない。

罰金対策係でもなく、第7世界人だけを護るのでもなく、もっと広く、もっと遠く。

そうして、彼女は、自主案件として戦争孤児と、難民の子供達の世話を始めた。
その軽やかさな透き通った羽はピンとしており、これは宰相をして面白がらせ、皇帝をして微笑ませた。

宰相が報告した日、
「よろしい。では妖精の仕事振り、見せてもらおうではないか」
皇帝は上機嫌でそう言ってテラスから外を見て、その後我慢できず笑っている。

即日、無制限の予算が許可された。

いまや妖精の管轄する護民官はにっこり笑うと、ちょろく数千マイル分の予算を組んで戦い始めた。数国が数ターン遊んで暮らせる額である。

無名で愛鳴之で、キノウツンでよけでakiharuで、暁で土場で涼州で、全国の護民官を組織して、護民官は活動を開始する。

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その後護民活動は一進一退であった。
孤児を養育する家々を探し、審査し、補助を与えて調子よくさばいて行ったものの、その後孤児を引き取った家の無理心中が増え始めた。
八守時緒はじっと報告を聞きながらなぜそうなのか、考えている。

 すぐに理由はわかった。芥辺境藩国の入院患者たちがあっちこっちに夢魔の危険性を知らせる手紙を送っていたのである。帝國などでは本当にかわいそうな入院患者だと、手紙をゴミ箱に捨てて終わっていたのであるが、妖精はそんな人間の理屈など関係なく、夢魔が敵だと認定した。

時に、夢魔が夢の世界で翼を広げるこのターン。妖精の群れが見えぬ敵から子供たちを護っている。

暫定的な対処手段もすぐに見つかった。よけの国にあおひとという偉大なる母(グレーターマザー)がおり、そこが子供たちを護るために即座に安眠枕を買って家に配置して難をのがれていたのである。ほぼノーヒントで即座に活動して効果をあげる、偉大なるという以外に表現できぬプレイングであった。

八守時緒はありがとうございます!とあおひとに手をあわせると、全面的に安眠枕を買い上げて暫定対処とすると、方々から情報をあつめて対応と対抗策を探した。

八守時緒や護民官は、その手法に独創性はなかったが、広く透き通った翼をニューワールド全域に広げており、優れたプレイヤーの優れた手があればただちにそれを取り入れて全国的にひろげて夢魔に対抗していた。

いまや優れたプレイヤーの増幅装置として護民官は動いていた。
小さな我が子を護る力が、全ての子を護り始めている。

羅幻王国のぱんくすが安眠できる牛乳を配りだすと、これを手伝い、安眠枕の効果を無効化しはじめた夢魔を再び封じ込めた。

この牛乳の効果に着目して宰相府と鍋の国が牛乳を買い上げて配りだしてから、にわかに牛乳の効果は落ち始めた。夢魔の被害は再び広がりはじめ、各国の王すら、悪夢にうなだされはじめた。

八守時緒はじっと報告を聞きながらなぜそうなのか、考えた。
この問題には、誰も答え切れてない。

すると八守時緒は自力で答えにたどり着いた。正確には、不思議と神聖巫連盟と後ほねっこ男爵領では被害がないことに気づいて八守時緒は答えを逆算した。

おそらく愛の差だろう。牛乳に力があったのではなく、無償で牛乳を配るぱんくすに力があり、安眠枕に効果があったのではなく、まったく躊躇無く散財したあおひとにこそ力があったのだろうと結論付けた。
神聖巫連盟の手厚い子供たちへの施策。後ほねっこ男爵領の暖かな家庭。
金を出すだけでは、きっと駄目なのだ。まこと妖精らしいぶっとんだ結論であろう。

八守時緒は護民官長として、前代未聞の行動宣言をしている。
それは以下のようなものである。

r:ぎゅーします。みんなもいっしょに。

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これが、効いた。この日からぱったり、夢魔の被害は聞かれなくなる。

この報はまず誰よりも先に、皇帝より先に芥辺境藩国の入院患者たちに伝えられ、かの人々は手を叩いて喜んだ。
あとは自分達が封じられているやつばらを倒すだけだと。

時に、夢魔が夢の世界で翼を広げるこのターン。妖精の群れが見えぬ敵から子供たちを護ってみせた。護民活動は成功した。

その長は妖精であり、その軽やかさな透き通った羽はピンとしており、これは宰相をして面白がらせ、皇帝をして微笑ませた。

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