電網適応アイドレスSystem4

アクセスカウンタ

zoom RSS 小説アイドレス0204

<<   作成日時 : 2009/02/04 16:24   >>

ガッツ(がんばれ!) ブログ気持玉 8 / トラックバック 0 / コメント 0

 疫病、マンイーターで多くの民が倒れる。
繁茂の特性を得たマンイーターは爆発的に広がり、死で地表を覆いつくそうとしていた。

同日、22時30分段階で1時間(ニューワールドでは半日)で250万人づつが死ぬ状況になり、宰相府では宰相が、共和国出身の秘書官達をどうすべきか悩んでいた。

22時45分、海での交易が多いFVBで発症者確認。即座に遮断。幸い経済グループに所属してない関係で被害は最小にとどまるが、経済グループのどこかで発生した時点で、恐慌が発生するのは確実な情勢になった。

 海法、是空、室賀、久珂、風野というエースたち、イヌヒト、和錆と言う本物の医療スタッフが協力し、対応を続けるも対応は後手後手にまわり、状況は悪化の一途をたどってる。
 22時55分。病原体の変異が早すぎることを利用して共生させ、無毒化することを計画するまでには至ったが、その準備試算で1ヶ月(ニューワールドでは1年)かかることが判明。絶望感が広がる。
それでも皆は諦めることなく、海法は実験施設を宇宙船に積んで光速近くで走らせてウラシマ効果でこの時間を相対的に消そうとした。風野が宰相府の保有宇宙船を片っ端から調べる間に久珂あゆみ研究施設をユニット化して建造する計画が動いていた。40時間(ニューワールドでは20日)が試算される。それでもなお、遅すぎた。

/*/

一方その頃。

 akiharu国という、混沌の国がある。同じ混沌の国でも、世界忍者国など足元にも及ばぬ本物の混沌の国である。
藩王を、涼原秋春と言う。頭はいいが、何もかも間違っていた。

/*/

 遙か広がる密林が切れたところ、川の流れが変わるところに広い広い野原がある。
そこに悲しみに傷ついたおおらかな人が集まり、環をつくり、国を建てた。それが、akiharu国である。

 この国は、誰もが自称したことはないが、母の愛の国である。
共和国大統領是空は、そう、この国を表現している。

akiharu国は、南国人の作った国々の中でも、最も愛が深いところだった。
その愛に限度はなく、理由もなく、ほぼ本能レベルで王以下、自国とその産物を深く愛し続けた。

akiharu国は、良い国とは、とてもいえない。戦略レベルで言えば、崩壊している。
どちらかといえば、面白い国であった。

彼らは傷つくことが多かったし、周囲から偏見を受けることも多かったが、それでも、何もかもを許した。南国人らしくTLOにもさして抵抗なく、かつて世界の半分を滅ぼした古い戦闘種族”竪穴に住むもの”を国民とし、諦めず、揺らぎもせず、たわむこともなく、何代もかけて育て上げた。そうして終には、本当に”竪穴に住むもの”を仲間にし、共に暮らした。

彼らはニューワールド最大の敵クーリンガンも許した。国内で悪さをしない限り、彼らはクーリンガンと普通に付き合い、あまつさえ守りすらした。

クーリンガンはこれに深く感謝し、古い古い呪いを、竪穴に住むものや猫士に掛けられた絶滅の呪いを解き、古い創造者から植えつけられた破壊衝動を消し去った。

これにて竪穴に住むもの改め、巨大カマキリたちが爆発的に増えた。
人類はにわかに少数民族に転落、金になんら興味はないカマキリによって経済は崩壊した。
だが彼らは、これすらも許した。

是空が母の愛だと評したのは、akiharu国が、カマキリを弾圧する選択を一度もしたことがないからだった。周辺国の安定と言う意味ではあからさまにマイナスだったが、是空は、こと、この部分については嫌味をいいながら最高に近い敬意と理解を示している。

是空にも、覚えはある。是空も一部の反対を封じてFEGに自然発生した50m級や100m級のサイボーグたちを保護したことがあった。周辺内外からあれは大きいから危険だと言われ、大変に腹を立てていたのである。背がでかいなら弾圧する材料になるのかと、是空は、自らの年齢(もういい年)を完全に忘れてブルーアイズを輝かせている。

akiharu国は怒りはしなかったが、徹底してカマキリを擁護した。

巨大カマキリたちはこれにて共に和すことを学び、猛き共和国国民として、その歴史をニューワールドに残すことととなる。

/*/

 冬になれば死ぬ巨大カマキリが一匹、崖の上から日本海を見ている。

どこか心を締め付ける、悲しい光景だったが、カマキリは自らを悲しいとは思ってはいなかった。

カマキリは心の中でいつも、あの面白い青い旗を一心不乱に仰いでいた。
だから悲しくは見えてもが、カマキリは悲しくはなかった。例え冬が来て死のうとも、このカマキリに悲しみはない。

このカマキリは、なにもかも間違ってにゃんにゃん共和国の共和制を体現してしまっている。

名を、レディと言う。人々がつけた敬称である。
共和国という陣営に間違って生まれたヒロイックな人物であり、戦闘では見るところのないakiharu国という国に間違って生まれた戦闘種族であり、なにもかも間違って高校は女子高主席で卒業であり、そして、生まれて始めての大統領選挙で、是空に投票していた。

彼女は是空が50m級や100m級のサイボーグたちを保護したことを理由に、投票所に並んでいる。

彼女が長じて頭角を現し始めた頃、数少ないakiharu国の自慢であった士季号がTLO騒ぎで廃絶の憂き目にありそうなとき、隣国キノウツンのアシタ摂政が擁護するのを見て、その折の恩義を終生忘れることなく、カマキリたちのリーダーについた後、キノウツンを影ながら守り続けている。 キノウツンで凶悪事件の被害者が出たとき、何事もなかったようにakiharu国で見つかっていたのは、彼女達の働きであった。

彼女は何もかも間違っていたが、心だけは、間違っていない。

この共和国最大の守護カマキリは物を切ることかしか出来ぬ鎌で人を保護し、猫や猫士を保護し、翅を広げては隣国に飛来して庇護の傘を広げ、誰に感謝されなくとも命じられることもなく、共和制を守護し続けている。

帝國で生まれていたなら、文句なく貴族位と帝国議会の議席と双方を与えられるような働きであったが。このカマキリは好んでただの共和国国民であることを選んでいる。
akiharu国にも選挙はありますというのが、彼女の好きな言い回しだった。

このカマキリの最終的な肩書きは、にゃんにゃん共和国、akiharu国国民である。
レディはそれで、なんの不満もない。

レディは、共に和しているからだった。
レディの心の中では誰も彼もが、誰も彼もを助けようとしている。

/*/

 冬になれば死ぬ巨大カマキリが一匹、崖の上から日本海を見ている。
カマキリはどこか朗らかに、つぶやいた。

「そろそろ最後の時ね」
「死ぬか?」

そう言ったのは、レディの友人であるヒサヤガミだった。このヤガミは、レディの友として、長年いくつもの戦いを渡り歩いている。

カマキリは海を見た。
「いいえ。共和国も、その理念も、魂も、矜持も。大統領も、何も死なないわ」

ヤガミも並んで海を見た。
「付き合ってもいい」

カマキリは笑った。
「やめておくわ。この仕事(ワーク)は人間では難しすぎる。我々には友情はあっても差はあってよ?」
「だが友情はあるんだ」
「悲しまないで。そして笑顔を忘れずに」

カマキリは笑った。
「私はそう、共に和して自由の旗に栄光を与えるだけよ」

/*/

 時に、1時間(ニューワールドでは半日)で250万人づつが死ぬ状況。
レディはたくさんのカマキリが少数民族である人を守って山となり、塚となり、閉鎖環境となって死にいく中でゆっくり廃墟を歩いた。 王城を見上げ共和国の青い旗が今日もはためいてることを確認してその下で横たわった。

レディは、自らの体内で無性生殖して産卵し、病原体と共に孵化させ、それを体内で何度も続けて世代を重ねついには病原体を無毒化、共生させた。

レディは最後まで持たなかったが、その仕事は他ならぬ大統領に託された。

是空はakiharu国の阪明日見が彼女の白い狼を抱いて助けを呼ぶ声に導かれて海法達にマンイーター対策を押し付けたまま、ダガーマンとしてakiharu国に降り立っていた。

誰も彼もが、誰も彼もを助けようとしている。

 是空は手がかりをもとめてakiharu国を歩き、そして王城の前にたどり着いた。
そこで短く死に行くレディと話し、レディの遺体をダガーで切り裂いて持ち帰り、マンイーター特効薬の開発の道筋をつける。

その成功率、40%。結果が分るのは。11時間後であった。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 8
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
小説アイドレス0204 電網適応アイドレスSystem4/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる