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zoom RSS 小説アイドレス外伝 Valentine's Day

<<   作成日時 : 2009/02/15 05:07   >>

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 バレンタインデーという日がある。
魔術、というものがある。
儀式というものもある。
 
 正月に誕生日、イベントを大切にするのがアイドレスを含めた無名世界観である。そこには、力が集まるからであった。
実際に、重篤な老人や病人が一番危ないのはこれらのイベントを過ぎたあたりであり、それまでは持ったり、もたされたりする。統計的に、はっきり違いが、でてしまう。

魔術というものには種もあれば仕掛けもある。その魔術の場合、種と仕掛けはすなわち気の持ちようで、人間意気持ちの持ちよう、意識の取り方でたとえ唯物論の世界でも統計を狂わせる程度には効果はあるのである。 心がければ注意もするし、ちょっとしたことがあつまってまあ数日程度の効果はあるのだった。

 ゲームというたわいもないものものではこの数日の効果は、特に顕著に出る。
だから、大事にする。現実の数日分の力は、ニューワールドではもっと大きな力になりえるのだった。

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小説アイドレス外伝 Valentine's Day

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 宰相府ではその日、空港が封鎖された。
同時に、空を見上げるなと、命令が出された。ひどい命令もあったものだが、多くの国民は、顔をひきつらせてこれを守った。
圧倒的武力と恐るべき兵器、竪穴でいじられ、作られた人間などおよびもつかぬ戦闘力を持つ騎士達による国が、宰相府である。恐怖が、その国の上で公然と君臨している。恐怖の下の平等が宰相府である。

国民は上を見れば秘密警察が動くと、信じていた。この国では議会も国民の意見を聞く制度も、なにもない。


朝8時。轟音。国民達は震えて下を見た後。巨大な影が自分たちに落ちて、通りすぎるのを見た。音が去るのをまち、命令が解除されるまで2分。安堵とともに太陽を見て、太陽が撃墜されてないことを見て喜んだ。


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 アイドレスでは、数日前。

今日子は、チョコを仕分け終った。現実では15分ほどだが、アイドレスでは数時間である。
宰相はなにもかもに飽きて漫画を読んでいる。

「仕分け、終りました」
「よくやった」

今日子はそれで、息をのんで、輝くように微笑んだ。
反応としては三十点だった。戦闘力は高いが、今日子は人間性は、まだまだだった。

「ところで一つ聞きたいのだが」
「はい!」
「どれくらい太ったんだ」
「……22.314gです」

んー。AIまだまだと思う瞬間。違うんだよなあ。人間は1kg単位、性格の細かいので0.5kg単位でものを考える。

「それぐらいは誤差だ、気にしないでいい」
「あ、え……は。肝に銘じます」

しょげる今日子。下を向いた。白いハイヒールは慣れないか、しきりに脚を動かしている。
あまり良くない兆候だ、いじけるかも知れぬ。

甘いもの好きなので、もらえないのががっかりなんだろうなあ。

「バレンタインデーまで50時間ある。俺はバレンタインデーがきちんと届くためのアクションをしたい。お前は俺についてきてもいい」
「私だけでよろしいのですか?」
「他に人がいない」
「身命に替えて」
「期待している」
「はいっ」

「報酬はそうだな。でかいチョコをやろう。元々ドラゴンにやろうと思っていたものだ。2mくらいある」

今日子は長考に入った。大きい方が喜ぶと思ったが、しょうもないところが人間ぽい。

「……光栄です」
「嘘はつかんでいい。まあ、好きな甘い物を食べさせてやろう」
「は」

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 バレンタインデーという日がある。
魔術、というものがある。

この日は、人の心に作用できる数少ない日だった。
いつだって人にチョコやお菓子をやることは出来る。

だが特別な日なら、普段贈れない人にだって贈れるし、気恥ずかしい事も言えるし、わざわざその日にするということで、特別の意味を持たせることが出来るのだった。
同じ日でも、数倍嬉しくする事が出来る。

魔術というものには種もあれば仕掛けもある。この魔術の場合、種と仕掛けはすなわち気の持ちようで、人間、気持ちの持ちよう、意識の取り方でたとえ唯物論の世界でも統計を狂わせる程度には効果はあるのである。 同時に魔術は約束である、みんなでこの日はこういう日だときめてしまえば、本当にそんな日にすることが出来る。

この宇宙の物理法則で、正月になんの意味もないことは、分かってる。
だがそれは、人の思いや気の持ちようを単に無視しているだけである。

魔術師は、人の思いや気の持ちようを普通より気にしている職業である。
バレンタインデー迫る。こういう時、魔術師は魔術を使う。魔術を完成されるための、魔術である。
人がこう決めた約束を守らせ、助け、約束の日の、世界的な意味を維持させる。それが、魔術師の仕事の一環である。

そんな仕事は通常成立しない。ライ麦畑の端から子供が転げ落ちないようにする監視員より需要が少ないだろう。 普通はそうだ。

……二月十四日に一年分の酒が手に入るような人物でもいない限りは。

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 灯をつける。背後には一年分の酒。自分ではほとんど食べないがチョコ。

二月十四日に一年分の酒(主食)が手に入ればバレンタインデーが正常動作するような職業が成立する。

ゲームデザイナー 買・収
    ↓
バレンタイン・メンテナンサー(特別職業) 就・職

そして今、着用アイドレス変更。 華麗に許可。

縦巻きロール装備。
おっと、今流行のボーカロイドっぽくなってきたわよ。

FEGで購入したリングドレス装備。リングのボタンで大変身。
おっとおっと。今日の私は可愛いわよ。


今日子がヘンな顔してる。

「いくわよ」
「あ、え……」

「さすがに宰相が自ら戦うというわけにもいかんだろう」
「はっ」

「ついてきなさい。私が本物の大惨事と言うものを、見せてあげる」
「は……い」

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 FEG。

 是空はまたも何度目かの、へこみ時期を迎えていた。べこへこみしてる。
正義ってなんだっけって去年の十二月くらいのターンまで戻っていた。

もどりすぎであろう。

うう、もとこーと言いながらバレンタインで竜乃や左木や川原にもらった酒を飲んでる。机にはダガーが刺してあった。

窓ガラスが一斉に割れた。

是空は目を細める。いつの間にか、朝日が昇ろうとしていた。女の、影姿。

「目を覚ましなさい」
「おいデブ、俺の夢をてきとー壊したら、マジぶっ殺すぞ」

裕子、爆登。

「怒れる内ははまだいいわ」

裕子はチョコを投げてよこした。ダガーで突き刺して受け取る是空。

「皇帝と……これは秘密の人から」
「タイフーンじゃねえか。はっ。くそ」
是空、タイフーンはまんざらでもない。飴はそそくさとなめだした。ちょっと嬉しそう。仲直りできたら嬉しいなとか思っている。

「手伝いなさい。バレンタインデーが正常動作するように手伝うのよ」
「それは……」

是空の目が、輝いた。

「それは出来レースか。出来レースだな!うわーい。エースやってはじめてだー。やります。やります。どの敵刺せばいいですか。もう全開でやりますよ」
#出来レースは、全てのエースの夢の一つです。彼らは楽勝で格好いいことだけいって勝てる敵を熱烈募集しています。

「いや、普通に判定はする」

是空の目は、死んだ。

「いいじゃないですか、年に一回くらい」
「成功が決まった試合なんて面白くないね」
「俺それ聞いた後20%の判定をダイスふらされたことありますよ」
「だが生き残った」

是空はいらっと来た。同じ口調で、残念だったと言われる人々を思い出した。
「ああ生き残ったさ、失敗したら光太郎死ぬじゃねえか」
「式神1で小夜死んで、2で光太郎が死ぬ。いい、対だった」
「ざっけんなっ」

是空の目から青い光が立ち上がった。それは海のように揺れていた。
笑う裕子。
「そうね。決められた人生なんか、面白くもなんともない。危険がない人生もそう。人は地獄の底で剣を振るい、空が青いことを喜べる位でちょうどいい」
「ただの地獄じゃねえか」
「生きるなんてものはそんなものよ」

是空は立ち上がった。アルコールが怒りで分解されていく。

「俺は認めない」 俺は認めない。人は幸せになるべきだ。難しいことは分からん。知るか、知るか。だが認めんぞ。おお、俺は思い出したぞ、正義とはサトルさんが言ってたじゃないか。あのデブの残念だったを毎度叩きつぶすのが平和と幸せで正義だと。その通りだ。

是空復活。是空は裕子をにらんだ。笑う裕子。

「でしょうね。だからエースなのよ。戦いなさい。立場は違えど、所詮我々は同じ戦闘種族。死ぬまで戦うのよ。自分の意思で」

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ターン19。

 小カトーは、死にかけていた。腹の出血が止まらない。
へへっと、笑いながら、拳銃に弾を込める。いいや。まだだね。俺は、ニーギと、ダガーマンを送り届ける。

「さあ来い」

 小カトーは愛機ユーカの残骸に隠れてそう叫んだ。

ひらめき。小カトーは顔をあげる。

”窓ガラスの方へ”

「誰だ」

返事はなかった。小カトーは射出便利舎の内部構造を思い出す。そういや、おじいが窓から外を見てたな。

そこまではずいぶんあった。歩いてる途中で死ぬかも知れない。敵に何発かぶち込んだ方がましなんじゃないかとも思う。いや、囮になってダガーマンから敵を引き離す。ユーカから離れるけど、いいよな……おお、やってやるぜ。

 小カトーは血を吐いた。笑って走る。
もう少しだ。もう少し……。

光。あれ、光なんか見えたっけ。
小カトーは目を開いた。失血でもうよく見えない。

窓ガラス……窓ガラス。

 窓ガラスが、目の前にあった。

窓ガラスがことごとく割れた。手を十字に組んだ長いスカートが一人。着地する。
即座に射撃。ただの拳銃。ただの拳銃でなりそこないが吹き飛んだ。

「バカね、作者に勝てるちょっとでも思って?」
「おいデブ、いい加減にしろ……いや、大丈夫か、ヴ……小カトー」

遅れて降りる是空。小カトーを助け起こす。

「ダガーマン……なんで」
「未来は変わったのさ。一匹のカマキリが変えた。もっと変えるんだ。俺たちの力で。帰るぞ、小カトー」
「帰るって」
「このチョコをくれる人がいた頃さ」

是空は多岐川佳華のチョコを渡した。
小カトーは泣いてうなずいた。

裕子は今日子が動くそれより早く敵を撃滅している。ARを使わない戦い。絶技戦。

「無事な窓ガラスは」
「あそこだ。くそ、まだ完成してないものの最後を先に俺はみてんのか」
「未来、変えるんでしょ」
「当たり前だ!」

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