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<<   作成日時 : 2009/02/10 17:26   >>

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”民がある。民の護りとして王女ある。王女の護りとして貴族ある。王女の輝きが帝國の輝き 王女が悲しめば帝國は揺らぎ、王女が沈むと帝國は悪に堕ちる”
                               帝國の古謡

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 レディが共和国の理想に殉じ、共和国全域がその死を悼んだ頃。

その死を、悼んでいたのは帝國貴族にも多かった。
同じニューワールドの民だからというのもありはしたが、実際のところ、レディのその生き方は、帝國の力の原泉である帝室の生き方そのものであった。

ゆえに、悼んだ。
帝國であれば死ぬことはさせなかったと、思うものもいた。帝國であれば、レディが死ぬ前に帝國の全部が先に死ぬであろう。死ぬ順番が間違っている、だから共和国は駄目なのだと堂々言う青年貴族(ラッシー)もいた。

この頃帝國は共和国に追いつけ追い越せと無理に無理を重ねてきた無理がたたって、多く内政問題に直面していたが、そう言う状況でもそんな雰囲気が流れている。それだけ、他人事とは思えぬのだった。

 背景には王女が沈んでいることもある。先年の竜の騒ぎでになし藩がやかれてこちら、王女は調子を悪くして、酷くふさぎこんでいた。元気に振舞ってみせることも、うまく出来ないでいる。

帝國が盛大に駄目になるときは大抵王女が酷い状態になったときである。
王女が駄目になると宰相のコンピューターのような覇道ばかりが目立ち始め、力による制圧が増え、民はうなだれ、天変、地異に内憂、外患と大変なことになる。

帝國の歴史は王女の健康史でもある。ターン3でジェントルラット失って王女が落ち込んで帝國は沈み、失恋だなんだのあと、従兄たちの見舞いによって アイドレス2で王女復活して帝國は勃興した。 帝國……専制の危うさと強さは、ここに集約している。

それにしてもなんとも皮肉な図式である。
第7世界人である機械のような宰相と貴族たちは、AIである人間のような王女によって全き存在となり、帝國を動かしている。良心をAIに預けているようであった。

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 帝國は、レディの姿に王女を重ねた。

”民がある。民の護りとして王女ある。王女の護りとして貴族ある。王女の輝きが帝國の輝き”

古謡は、嘘でもなんでもない。だから。けなげカリヨンの王女を見て帝國議会ならびに各藩国の議会は本気の一戦をやるだけの予算を満場一致で可決し、税率が上がることを国民は喜んだ。

そして今、民を護ってレディが動いたと聞いてから、遅ればせながら帝國は動き出している。レディの意思を護るそのための帝國の戦いがはじまっていた。

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 成功率40%の判定。レディの遺体から特効薬が作られる可能性である。
この判定が、成功した。出目は01であった。

 宰相は、レディの意地が通ったなとつぶやいた。
長いことゲームをしていれば、時折奇跡をみることがある。それはこういう時であろう。

実は是空が俺実験台になりますとか宣言していたのだが、この際、帝國的にはそういうのはどうでもいいのだった。是空など、護るべきものを護れなかった小物に過ぎぬと断じるのが帝國風ロールプレイである。

宰相は僅か一行、レディの意地通る。製薬工場を持つ藩国、これへ。とだけ書いた後、製薬工場を持つ帝國4藩国を呼び始めた。

一番速かったのはぽち王女の従兄であり、その日は風邪で伏せっていた、越前藩国藩王、セントラル越前であった。

参内すると越前は膝をついた。
「製薬工場が必要とのことなので参上いたしました」
「医薬品工場でよろしいですよね?A&Sの」

宰相はうなずいた。
「今すぐマンイーター対策薬を大量産する」

越前は頭を下げる。
「了解いたしました」

宰相はうなずいた。
「帝國は勇敢なカマキリに免じ、可能な限りの助けを施そう」
「御意にございます」

どうでもいいが、以上は原文のままである。平日昼間からなにやってんだといってはいけない。
続けて涼州からゆうみ、FVBから砂子、たけきの国からたけきの藩王と20分ほどで呼びかけた全藩があつまり、直ちに工場生産が始まっている。

「帝國は昔の帝國ではない」

宰相はそう言うと、共和国大統領(帝國的にはここでは是空とは呼ばない)とただちに予算折衝に入った。この特効薬を量産し、配らねばならぬ。

 帝國は最初から本気であった。会議開始2秒で全額を帝國が持つと宣言し、かかる全ての機材と人材を帝國が持つと通告してきた。是空はあっけにとられた後、わーいと喜んだ。いくら帝國の2倍税収があるとはいえ、事件続きで金欠なのだった。

「帝國は共和国を手伝うのではない。帝國は彼女の意地を護るのだ」
わかれしなに会議の席上、宰相がそう言った瞬間に是空の顔がこわばった。
そして腹を立てた。本気怒りである。1週間過ぎても怒り忘れず、リアルの飲み会で(これまで数年のご法度をやぶってゲームの話をした挙句)あわや殴りあいになる処であった。

「その名を言われたからには仕方ありません」
是空は、やっぱり全額共和国で出す。と言い出し、もめている。

是空は金がないのは酷い話だ、帝國はずるい、金あるほうが格好つけられるじゃん、なんで共和国ばっかりひどいめあうんだ、ひどいよゲームマスターが片方に肩入れすんなとびっくりするぐらいの大荒れであった。

勿論アイドレスに、ゲームマスターはいないのだが、要するに、彼女を失って是空はびっくりするくらい、がっかりしていたのだった。

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 結局、折半で落ち着いた。

特効薬は輸送機に乗せられ、あるいはFVBの海賊達に運ばれて、全国へ届けられた。


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