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<<   作成日時 : 2008/12/31 20:20   >>

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 話を戻す。

海法は自らが、どうも不調だと相談に来た。

難問である。

話す感じ、海法は、海法である。魔法使いであるのもなんら変わりなく、どこがどうであるのか、友人である筆者にもにわかに判別がつかなかった。

 仕方ないので、ご先祖に相談する。
当の昔にそんな人々は死んでいるが、思いでも教えも、残ってる。

熊本ではそう言うとき、俺が悪いのではない、世界が悪いのだと言う。
熊本の人間以外には傲慢に聞こえ、熊本では謙虚な言葉として知られる。

謙虚とは控えめでつつましいことを言う。控えめもつつましいも、嘘を言えとは、言ってない。嘘をつけば、それはその瞬間から謙虚ではない。ただの嘘だ。
本物の謙虚は控えめでつつましい上に正直なことだ。この世には時折命を懸けて守るべき、謙虚の美徳をねじまげてまがまがしいものにしているやつらがいる。

 海法は海法。そこに嘘がなければ、それは海法が悪いのではなかろう。それ以外(世界)が悪いのだ。ついでに熊本では悪いかも知れないなどと言う婉曲表現を極度に嫌うので、悪いかも知れないなどとは言わぬ。悪いものは悪いのである。

以上をもって俺が悪いのではない、世界が悪い。と言う表現は、大変に控えめで、つつましい表現である。嘘もつかず、最低の義務をまもり、その上で悪いとしかいってない。賠償しろともあやまれとも言ってないのだからまこと、慎ましい上に控えめな表現である。

 どうでもいいが同郷の田中芳樹さんの本をみたりすると、妙齢の美女が熊本的な理屈をならべて戦っていたりするが、私には自分のじいさまが女装して戦ってるように見えてならぬ時がある。郷土の偉人なんてものも、ほぼ略同型である。

実はこのあたり、久保雄一郎が面白がって熊本の思想史をしらべて、
「ぎゃー。筆者さんが時を越えて一杯いる」
と、大騒ぎして是空に本を貸す程度にはポピュラーな思想的伝統である。むしろ有名どころで比喩するなら、田中芳樹キャラが一杯よー!と騒ぐべきであろう。
むしろ、熊本ではそれ以外の理屈で生きてる人がいるという事実が中々に衝撃である。

「悪いかも知れない」なんて表現は、TVかお話の中の話だろう。

今のこれ以外で生きることすらも想像の枠外で、ご先祖なら、真面目な顔でなんで生きてるんだと、問うだろう。筆者は無論謙虚なので、思うだけで口にはださない。

/*/

 話を戻す。

海法は自らが、どうも不調だと相談に来た。

難問である。思考が一時空転するほどであった。
それでもどうにかまあ、お前は相変わらずなんで、悪いのは世界だろうということで、世界を調べてみることにした。アイドレスの世界であるニューワールドを見たのである。

ひょっとしたらバグかもしれないと、思ったのである。

海法、あれはあれで人生成功している。アイドレスイズリアルなのだから、そのへん反映されてないのは、モデル化に失敗している可能性がある。当然ながら海法の生き方はわりと特殊なので、抽象化する際に失敗している可能性は、結構あった。

 ということで、アイドレスに袖を通し、ニューワールドに出向く。
一応、ゲームの保守、メンテナンスのために、筆者もアイドレスをもっている。
吟遊詩人、ギャンブラー、ドS、変装の達人である。

 海法よけ藩を歩いてみる。話を聞く。
たいていの飲み屋、いかがわしい店では、海法の写真が額に入れて飾ってある。
娼婦などは仕事前に祈り捧げるほどだ。かつて彼が、政策でこうした人々を保護したせいである。

 身を墜さざるをえなかった彼女達にとり、海法はそれ以上墜ちないように助け、ささえた聖人である。彼女達は海法がきたらサービスするなどとは言わない。聖人がこんなところに来るわけもないのだった。むしろ来てはいけないと、信じている。

そもそもにして海法は、こう言う店に、立ち寄らない。立ち寄りはしないが、親切はしてる。利害なしにただ、この国にいるだけで保護している。この男の、度量は広い。

海法は他国のように、種族の純潔だなんだという狭量にも囚われず、働き口をつくってやってもいる。巨大ドックである。FEG含む複数の国から借金して、これをやった。

身を墜さざるをえなかった彼女達、森国人とはいえない子供を身ごもった彼女達、その子供達に己が借金して助ける。そう、右から左に借金をそのまま募金した海法は、いつもの海法だった。

なんだ。やっぱり海法は海法ではないか。

こうして歩けば、海法どころか、世界が悪いというのもあやしくなる。
世界が悪いと断じるのは悪かった。うんうん。ここは熊本ではない、ニューワールドだと、体よく自らの責任をスルーするように見えて実のところ自分の作るものに信がたりんかったと内心深く反省する。

反省しながら筆者は半分苔むした樹の株に座り、ハーフの森国人たちが元気に遊ぶ姿を見た。

クリスマスプレゼントのぬいぐるみを組織的に作って、すごい数を配ってるのがこの国である。

 海法についてはかつての舌禍事件やその後の舌禍国民を処罰せず、惰弱だという評がある。悪いところといえばそれくらいだ。もっともその評は、この巨大な借金で、帳消しだろう。海法の場合に限り、借金は勇気である。惰弱とは程遠い。ああ、もちろん、真似してはいけない。

/*/

そして、現実に戻る。

「海法よ」
「なんでしょう」
「思うにお前は悪くはない。また世界も悪くない」
「謎かけですか」
「謎ではない。ただの事実だ。俺は思うのだ。そなた、いつのまにか下を見ていないか」
「ポジティブシンキングですか」
「そうだ。物事には表と裏がある。裏しか見ずにこのコインには裏しかないと、お前は言っていないか」

 偉そうにいってるが、実際は見てきたことを伝えているだけである。
そこには海法に祈りを捧げる民がいたのだった。
それを否定することは、誰にも出来まい。

勝手に悪いもの呼ばわりしたお詫びに一つ。魔術を使うことにした。
大した魔術ではない。オセロである。石の置き方一つで色を鮮やかに逆転する、ただそれだけである。これをもって祈り捧げる女達へ、いくばくかの詫びとしよう。

「借金が多いのは悪いことではない」
「無借金経営しようと思ってたんです」
「無借金なのは政府だけで十分だろう。含み資産は多いほどいい」
「値札のついたネコリスさんが心配なんです」
「是空がお前の借金を取り立てる際に小説をよこせといったろうか。逆だろう。お前がそういうことをせぬよう、是空はお前を助けたのだ」

海法は目をさました。
「おぉ、ありがたい」

海法は考える。学習能力の高さは30も半ばを越えてなお、全エース最高だろう。
「なるほど。今後、万一、FEGの経営が危うくなったら、よけの資産が売られる可能性はありますが、そうならないように支えればいいんですね」
「FEGの経営がまずくなったら、国で買い叩いて借金減らせばいいんだ」
「あぁそうか。こっちで巨大ドッグを買い戻せば、FEGも借金が返済されて、楽になるわけですね」

「名誉ある独立なんてものは、アイドレスの1、2通じて、意味ないことは良く分ってるだろう」

「はい」

「多重と言うことは単独ではないということだ。困ってる国に、借金返済と言う名目で設定上援助できる。例えば、今の、無名騎士藩国だな。国土が荒れた無名の資産の保全も引き受けていたと考えればどうだろう」

海法の目は輝いた。
「なるほど。民間を通じて、うちが無名騎士に借金を返済することで、無名の負担を減らせるわけですね。借金返しきって繁栄してたら普通に援助すれば良さそうなものですが。援助や投資よりも、借金返済のほうが副作用無く援助できたりもするわけですね」

なるほど悪いのは、海法の調子であったわけだ。
海法が悪いわけでも世界が悪いわけでもなく、ただ字義通り、そのまま。
筆者は苦笑いした。頭がいいと自称している割りに、なんと単純なことを回り道していたのであろうか。 病はどうにもならずとも、人の調子ははげましでどうにでもなるのではなかったか。

「そうだ。お金の流れから言えば、実は差がない。借金返済も、援助もな。 左から右だ。援助は、どうしても押しつけがましくなる。それだけが外交ではないだろう」

「そう言われると、確かに借金無くなるのが惜しくなりますね」

はげましすぎたと思ったが、まあ、後の問題はよけ藩の皆がどうにかするであろう。

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