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<<   作成日時 : 2008/12/18 17:32   >>

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電網適応アイドレス
戦記”白石伝”

”こんな国は、他にない。”
                  戦記、白石伝より。

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 白石裕と言う男がいる。
リアルではIT技術者である。頭はいいほうだが、どこかのんびりした印象を与えるような巨漢である。目撃した亜細亜ちゃんに言わせると、トトロ(大)らしい。どうでもいいがお前はもっと俺の作品で例えろ。

それはさておき。白石裕である。もっとも彼は、アイドレスでは全然違う印象をもたれている。

ほむらという10歳児を。嫁にしていた。

もう、それだけで周囲、半笑いである。ドン引きまで行かないのは、まあ、本人の人徳であろう。しかしオフ会などで真顔で俺の嫁がとか言い出すので、周囲には常に半笑いが張り付いていた。亜細亜は彼を見ると火足の後ろに隠れていたりする。

白石はいや、中身はばーちゃんですよとか、好きになった以上は外見はもはや関係ないと言うが、言えば言うほど土壺にはまっていた。アイドレスでは、ドツボにはまることを白石が転んだと言う。

ついでにゲームの結果、嫁が9歳になって戻ってくるという大事件があり、白石はこれで俺ももう犯罪者だと思ったのか、しばらくの間、すっかりしょげてしまっていた。

一月ほどののち、元気づけようとしたか飲み会の席で高原という男に
「バカ、白石ぃ、普通は若返って戻ってきてよかったというのが甲斐性だぞ」
と言われ、ぶちきれている。

正確には上記を言われて
「お前の奥さん(アララ)が若返ったらどうすんだ」
と言い返し、
「あーまー胃がいたくなるな」
「てんめー」
という流れであった。ちなみにこの2名。アイドレスきっての(ノットリアル)愛妻家として有名であり、もうそうそろ結婚する船橋がこれに加わって、花の御三家を作る予定であった。

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 時に、エリスタンという男が上陸に成功し、魔法陣で無尽蔵に戦力を増強しながら動きだし、ニューワールドは幾度目かの危機にあった。

共和国の本陣である東京に攻められていると、そんな情報が帝國にも流れている。

 そんな中、白石裕は部下と共に対空剣戟を研究していた。冗談ではない。真面目である。この国に対空砲を買う金はない。ならば剣技で、これをなそうというというのである。

白石裕の所領、暁の円卓はアイドレスきっての後進国であり、主たる産業まるでなく、ただ戦士だけを輩出することで有名な国であった。すなわち建国が遅めの国に多かった、特化国と言う奴である。
多くの特化国は時代の変化や産業構造の変化に弱く倒れたり、あるいは合併するところが多かったが、この国はそのまま、存在している。

それは人間を不用とする時代だけはこなかったからである。いつの時代もどの戦いでも、最後は人が戦っている。だから暁の円卓は、貧しいが、ずっとやってこれている。

そして人間最強が、白石率いる暁の円卓であった。

白石は、幼い妻より贈られた、それだけで数国を買えると噂される宝重、永劫のほのおのつるぎを柔らかく振りぬけ、はるか上を飛ぶ鳥を驚かせると、汗を拭ってフィーブル新聞を読んだ。いくら後進国とはいえ、新聞くらいはあるのであった。

もっとも、運んでいるのは徒歩の伝令であったが。ついでに新聞は土壁に入れると、冬、暖かい。

読んだ白石は、うなった。
「光の国に敵、迫るか」

 白石裕には夢がある。 エースになることである。

それはかつて、アイドレスが終わると愛する妻と別れることになると知ってしょげていた時、リアルの是空とおるに一言、言われたからである。

「エースになれば、世界の危機の間だけだが、あえるぞ。会いたい人に」

それはかつて是空が通った道である。アイドレスは有限だが、芝村系どのゲームにも存在する制度であるエースはそうではない。
白石はそれに希望を見いだし、以降、一言の絶望も吐かず生きている。

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「戦ってみるか」 嫁と別れぬそのために。

白石は言葉の半分だけを言った。

「光の国にいく」

 そして新聞を後で壁の修理に使うために丹念に折りたたんで軒に置くと、わんわん銅貨の詰まった袋をもって、鬣が燃えるような名馬を駆り、永劫のほのおのつるぎを腰に、旅に出た。

 馬を走らせば国民が鋤のかわりの剣をあげて挨拶する。

 戦士の国暁の円卓。朝食をとれずに朝日を拝んで身体を温め、十人に一人とて生き残らぬ修行を重ねて生きるのが、この国の民の定めである。平均寿命で50いかないのは、この国と神聖巫連盟、フィーブルくらいのものである。

だが同時にこの国は、アイドレス屈指の平和な国ある。
過去も今も、たとえ騒乱に巻き込まれてもこの国は、国民の力だけで、敵を押し返している。ACEの力もプレイヤーの力も借りず、自力でやってきていたのだった。

だから、藩王が旅にでようと、誰も何も言わない。
不安になるようなこともなかった。さりとて藩王に人気がないかというと、そんなこともなかった。国内でこの国の藩王の悪口を言うのは自殺行為だと旅行ガイドに書いてある程度には人気がある。

それは暁の円卓のありようそのままであった。この国には、不思議な魅力があるのだろう。

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 白石が馬を走らせば、国境を示す一里塚のその前に、彼の幼い妻がいた。
数名の騎馬もいる。

皆が道に並び、頭を下げている。

「お待ちしておりました」

白石裕、それは予想の範囲である。
もとい、ほっとくと毎度部下を率いて勝手に戦いに行くのが彼の妻である。
正直、勝ったと思った白石であった。そう、はじめて彼は、妻を追いかけるのではなく、妻に追いかけさせたのであった。

「光の国にいく。来るか」
「はい」

 白石裕の妻は野に花を摘みにいくように優しく微笑み、裕は何気なく手を取って自らの馬の背にそれを乗せた。

 部下達が頭を下げて騎行する。
その顔ぶれは
池内志野、本郷義昭、遠坂圭吾、田辺真紀であり、その他、別働として秋津ならびにトラナ、風杜神奈。
即ち暁の円卓のACE全部であり、この一事をもっても、快挙といえた。こんな国は、他にない。

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 それは、愛を唱えるために剣を振う間違った王の物語である。

どうやっていくかと部下に訪ねられ、白石王は言った。

「最速の手段で」
それは航空機だと言われて白石裕はうなずいた。ではそれで。

30秒後、白石ほむらはいいえ。列車でと言った。
白石裕は1秒でその言を翻した。

彼は彼にしかいえぬであろうことを、綺麗な顔で言った。
「俺は嫁がいったことは無条件で信用するようにしています。列車でいきましょう」

普通、例えゲームでも人間は自説の虜である。意見を変えることは悪ともされる。

だが。

ここまでくれば、もはやあっぱれであろう。人の頭の上に常にある限度という天井を越え、白石という人物、人とは別の何かに到達している。

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 白石裕は微笑むと愛する妻の手を取り、純白に輝くリューンを纏い、天下の宝重永劫のほおのつるぎをもって、これより長い長い戦いを始めることとなる。

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