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<<   作成日時 : 2008/12/10 19:13   >>

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電網適応アイドレス

”是空大統領、大アクションの末、国の危機を救った模様”
”あやつはなにやっとるんじゃ”
                秘書官と宰相の会話 01218002

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 エースと言う存在がある。ACEと意味は同じである。それは、アイドレスのシステム側が制御する存在であり、それでいて、ニューワールドを生きている。

 ACEと少し違うのは。カタカナで書いたエースは、実際に生きているということだ。
とは言え、アイドレスと言うゲーム上、扱いはなんらかわらず、ゲームシステム上での違いもない。世界の中で、好きに生きていればいいのだ。

世間の誤解がある。過去も現在も、エースは人助けしろと命じられたことはない。システムはそんなことを要求しない。むしろ助けるなという指示が出る。自殺や自然死などをねじまげることは許されるわけもない。 ただシステム側に属すが故に情報がいろいろ見れて自らの意思でゲームを発生させ。
それは、単に腕がよければもらえてしまう、ただそれだけの勲章だ。

誤解をうむには理由がある。
エースが、誤解を作っている。

 だがエースには、格別の意味があると、エースは自ら主張する。システムで要求されていることではない。そんなこととは、まったく全然関係ない。
それは実際に生きていることを知らしめる、生存証明のようなものだ。

生きているから、格別の意味がある。そう言っているだけである。

 格別の意味とは、それは悲しみと戦うことだ。エースは、悲しみを戦うことをもて、自らの生存証明とした。生きるということは、悲しみと戦うことである。

 起こりえる悲しみ、今起きている悲しみ、過去あった悲しみ。遠くの悲しみ、近い悲しみ。

往古来今謂之宙、四方上下謂之宇

その全部の悲しみと、戦うのがエース。

勝てるかどうか、全部と戦えるか、そんなことは関係ない。
失敗する時もある、自ら災いを呼び寄せる時もある。だがそれは、生きているもの、皆同じ。

違いは一つだ。それでも我はエースだと生存証明を行うかどうかだ。具体的には悲しみがその目の中に移った時に、戦おうと思えるかどうか、だった。

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 にゃんにゃん共和国大統領是空はその頃、ビルの屋上、夜空の下、高さにして500mのその端に片手でどうにか掴まって、生死の境を彷徨っていた。

在位そろそろ25年、何気に最大の大ピンチである。

 世間一般でよく勘違いされるが、エースと言う存在は、危険な事はしない。
元から腕があるからエースに選ばれているのである。負けないように幾重にも味方のカバーが掛かるように高度な連携のもとで動くし、そもそも勝てない戦いをやらないよう、編成段階の勝利を目指して動いている。昔の、本物のヒーローのようなエースなんてものは、もう存在しない。今のエースは、災いや悲しみと戦う機械といったほうが、良く似合っている。悲しみが出現すれば自動的に対応して戦いだすそれだけの存在だ。


 風が、吹く。
川原の昇の前髪が、風で揺れる。風の中で、静かに口を開く。
「終わりだよ、ダガーマン。いや、大統領閣下」

「……」

 成功率にして20%。ダイス運が悪いことも手伝って絶対絶命の是空は、だが不意に笑った。その目は、青く輝き始めていた。この星の輝きを一身に集めたるそのように。

是空は厳かに言った。
「……どちらでもない。どちらとも違う。今、ここにいるのは素子の栄光(フィールドエレメンツグローリー)が藩王、彼女を支えし最強の下僕、彼女を愛するただそれだけ。彼女が愛するものも愛する、ただそれだけ」

そして是空は、極たまに見せるどんな欲望からも解き放たれた綺麗な表情で言った。
「ついでにエースだ。川原の昇。お前はそんなこともわからないから、俺に負けるんだ」

昇は笑った。
「時間稼ぎしても無理だよ。ダガーマンへの変身はふさいだ。他のエースも出払っている。僕の勝ちだ」

是空は笑い返した。可哀想なものに言うように。
「もう一度言うぞ。俺は彼女が愛するものも愛する、ただそれだけ。そして彼女は、俺に言った。皆を護ってあげてねと」

夜が暗ければ暗いほど、闇が深ければ深いほど。
その目は、青く輝いていた。この星の輝きを一身に集めたるそのように。

自ら手を離す是空。落ちていく。


10秒で是空は戻ってきた。
強風の中、神腕のごとき長弓で、るしにゃんの森国人たちが援護に放ったいくつもの矢を、ビルに突き刺さった矢を足場にして、戻ってきたのである。

実は着用アイドレスで舞踏体(どんな高さから落ちても大丈夫)が、あったので、それに気づいてARなしの撤退代わりに手を離した是空だったが、これは嬉しい誤算だった。
もっと正確にいうと是空、焦ってて舞踏体の存在を忘れて本気で名台詞をはきながら時間稼ぎしていた。昇はいいところついてる。

「るしにゃんのゲリラたちか……S43,クレール、お前がいなくてもお前の気持ちは俺の傍にいるよなぁ」

是空はとんでもなく高いスーツの上着を棄て、ネクタイをはためかせ、そうつぶやくと一本のはずれ矢を空中でキャッチしてくるくると廻して昇に向けた。まるで、ダガーを持つように。

「次の失敗だ。お前は俺を一人だと言った。だがそうじゃない」

是空は来た、今俺の時代が来たと心の中で涙流した。どうでもいいが不利なことがおきると芝村の罠よとか罰ゲームよとか言う割に勝ってる時は絶対にいいやがらねえのが不平等なのである。いやもちろん、全部のプレイヤーがそうなのだが。

 魔力のせいで淡く輝く煌く矢尻を見せて、是空は微笑んだ。

「最後の失敗だ。ダガーはないが、ダガーはある。俺のダガーは、俺の生き方だ。短くて長くもないが、そのダガー、折れも曲がりもすることはない。昇、お前は全部間違った。檻の中で反省して来い」

 是空は素手で殴っても昇を撃破できたはずだが、矢尻であえて殴りつけて昇をノックダウンさせた。

是空はるしにゃんの人々に感謝を伝えたかったのだ。
素子が贈ったダガー以外を使うというのは、是空最大の感謝の表現であった。

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