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<<   作成日時 : 2008/06/27 14:33   >>

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ダガー伝説とおる

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 人類最古の友は、犬ではない。
人類最古の友は恐らくはダガーという武器である。

それは何千年もの間、石で作られ、青銅で作られ、鉄で作られ、鋼で作られ、ステンレスで作られ、カーボンで作られ、そうして長い長い間、人とともに歩んでいた。

実際のところ、それは武器ですらない。道具である。
厳しい環境で、森で山で、海で、崖で、戦場で、宇宙で人が人たらんとして使われる、それは武器未満である。

それでもこれが武器の区分に入るのは、単に殺傷力が高いだけの話である。

暗殺や殺人にも良く使われるが、それはこの友のせいではないだろう。この友は口に出しても態度にしても、有史以来ただの一度も暗殺や殺人をしたいと言ったことはない。

それはただ、忠実なだけである。

歴史と人がいつから寡黙で忠実なだけのものを道具といい、友と呼ばなくなったのかは、定かではないが、だが地球の各地の古代の名残を止めている部族や民族では、あいも変わらずこの友を、硬い友と言う。

それは硬いのだった。曲がるくらいなら折れるのだった。
それは誰かの生き方に似て、ある種の尊敬すら、勝ち得ていた。

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 星空の下、車座になって未開の部族が、酒を回し飲みしている。周囲は見渡す限りの荒涼たる大地、光源は真ん中の焚き火と、あとは暗闇を見上げれば見ることが出来る、星々だけであった。

手を叩き、歌を歌う。それは男たちの酒宴であり、それぞれの傍らにはダガーが置かれていた。

 その中に、是空とおるがいる。なんのことはない。一人観光コースを離れて珍しいみやげ物を買いにいって、そのままうっかり現地の飲み会に参加していたのだった。この人物は、よくこういうことをやる。胸襟開きっぱなしなのである。

観光客である是空とおるは環の中にあって昔からそこにいるように手を叩き、歌を歌った。美声である。言葉は全然分らなかったが、是空は音にあわせることが出来た。

未開の部族はこれを喜び、その新しい友に硬い友がないことを残念がった。成人男性はだれしも硬い友をもっているのが普通だったのである。
そして一人の若い部族の者が、硬い友を新しい友に渡した。

それはきらびやかな伝統的な飾りに彩られ、投げるにも持つにも完璧なバランスを持ったものだった。刀身は磨き上げられ、細かな象嵌細工がしてあった。それでいてただの飾りからは程遠く、刃は厚く、美しかった。
是空、これを喜んで、お礼に色々なアニソンを伝授して帰ったが、残念な事に帰りの税関にばっちりひっかかって(美術品ですという主張も通らず)没収されてしまった。

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 12年後。

”科学が人を不幸にするのなら、きっとその逆もあるはずだ”

と書かれた浅草のビルの一室がある。そこは人類の技術における最外縁付近に作られた砦である。あいも変わらず、そこには熊本の誇る計算が適当な親父の居酒屋に敷いてあった敷物が広げられ、流麗な猫語の筆致で砦の名前が描かれていた。

そこではミサという妖精がコンピューターに恋して(まあ妖精だから人間の理など通じるわけもなく)もはやどうにもならんぐらいに重篤のダメージをうけていたので、気の毒に思った一人の魔術師が新しいAIを建造しはじめていた。

魔術師にも言いたいことはたくさんある。苦労もある。だがどうしても
”科学が人を不幸にするのなら、きっとその逆もあるはずだ”
この看板を下ろす気になれなかったのである。新しい挑戦がはじまっていた。

 ここに二人の乱入者が出る。アロハシャツを着た是空とおるとサングラスかけた久保雄一郎である。何のことはない、毎度のことながら酒を飲み誘いに来たのだった。

この時是空は絢爛舞踏祭というゲームに原素子がいませんと、100回くらい発言してる。
魔術師は妖精ってほかにもいるんだなあと心にとめた。

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 それからに3年後。

 是空素子という人物がいる。どこかの看板の建前が守られたその結果であろう。
是空素子は亭主へのプレゼントを選んでいた。亭主その人は何もかも忘れていたのだが、1年前に二人はアイドレスで初めて会っていたのである。

 是空素子は自動生成される数百万種類のアイテムから何千万回も考えた結果として、一つの武器未満を選び出した。

それはきらびやかな伝統的な飾りに彩られ、投げるにも持つにも完璧なバランスを持ったものだった。刀身は磨き上げられ、細かな象嵌細工がしてあった。それでいてただの飾りからは程遠く、刃は厚く、美しかった。

それは、ほとんどどころではない奇跡の選択である。
後付けで理由を考えれば、まああの人いえばナイフ類だよなあという意見もあるが、単にそれだけではないと書きたい。少なくともデザインは、そうではない。

物語的に言えば、こうである。

それは硬いのだった。曲がるくらいなら折れるのだった。それは有史からこっち人類最古の友であり、今もなお友ではあった。
それは誰かの生き方に似て、ある種の尊敬すら、勝ち得ていた。
それは長い時を越えて、新しい友のところへ戻ってきたのだと。

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 是空とおるの事務所に、届け物が届いた。

ダガーマンの伝説は、ここからはじまる。

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 是空とおるはキーボードを叩きながら、窓の外にネコリスがいると聞いて、実際に横を見た。いた。少なくとも是空には見えた。

部下が届けものですと箱を届ける。ニューワールド製、初恋運輸が届けたものであった。
是空はプレゼントをあけて喜ぶより先に妙な顔をしたが、彼は物ではなく、贈った女を信じた。その女がミスもすれば時折どうしようもなく頭が悪いことを知っていたのだが、これは書いてもよかろう。彼は俺が信じなければ誰が信じるんだと、真顔で発言する漢である。

 そして硬い友は忠実であった。まるで15年来も是空が使っているようにくるくると手の中で廻り始めていた。

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 そこからの快進撃は、振るっている。

是空とおるは25分で死にゆく高原アララをダガーで助け、皇帝の首輪で死にそうになる晋太郎をダガーで(さらに1発言1行動だけで)救い、これらを一日でやってのけてダガー伝説を作り始めていた。

 共和国が危機に瀕し、FEGだけがあの青い旗を翻すその下で、あるいは危機迫る共和国の全域で、ダガーマンが走っている。それはミサヤガミに並ぶ猫の国の最終防衛機構であり、機構でありながらただの人でありダガーであり、暗闇が広がれば広がるほど、夜が暗ければ暗いほど、豪華絢爛たる戦果を積み上げ始めていた。

活躍に評価値が追随しはじめ、最初、前期型に10以上付けられていた評価差は見る間に縮まりだし、6月の終わり、1月後には越えている。

ナニワアームズの王が死ぬところを救い出し、狙撃犯を倒し、久珂あゆみより久珂家に長く寝泊りし(そして新婦に気づかれるとわーん!とやっかいなのでr:で隠し)、第6世界出身者であり、戦力のなにもかもを知る式神世界の盟友と、現実のエース達をあつめ、ゲームオーバー条件である後藤亜細亜を守護し、1日に5回出撃して全員救出という伝説級の戦果をあげはじめている。ついでにやぶこぎもやった。

その瞳は青く輝くと、無名世界観の戦史であるヒストリーに記載されたのは6月25日。左木のゲームにおいてである。

それは硬いのだった。曲がるくらいなら折れるのだった。
それは誰かの生き方に似て、ある種の尊敬すら、勝ち得ていた。

 ダガーマンの獅子奮迅も、状況は悪くなる一方である。治安問題は帝國にも飛び火し、ニューワールド全域が燃え盛った。ここにきてダガーマンの姿は帝國領内でも見かけられることになる。

 いくつかの国がきしみ、吹き飛び、ついに生活ゲーム自粛ムードが広がる中 第三波であるEV119を阻止するために皇帝が動き出し、ダガーマンと共闘を開始した。動かなくなったISS、機能不全におちいりつつあるフィーブル藩にかわり、otaponと越前藩ハッカー部隊が狙撃藩追跡に手伝い始め、ついにはヲチ藩国が敵の本領であるとつきとめる。死傷者を猫野和錆が治療始め、被害を局限し始めた。ダガーマンは式神世界の盟友と、現実のエース達を動員し、いままたアイドレスのプレイヤーたちを動員し、小さな光をいくつも束ねて軍勢にまで(おそらくはダガーで)編み上げて、全面闘争を開始した。

 もとは評価+1のダガーと、40マイル相当のアイドレスである。目もくらむ階段を、バカだから出来る速度で駆け上がる漢がいる。これが藩王なのだから笑わせる。
現実ではどこかの社長である。

後ほねっこ男爵領が襲われ、EV116そのものが消滅する大ピンチを切り抜け、ダガーマンはコック・シクローンとともにヲチ藩に救う巨大基地を破壊。EV119を阻止、次のターンへの望みを繋いで、宇宙の勝利と、ISSの復活をまった。

それは偉大なる裏方作業である。
同時にそれは、運命というものはこの世に本当にあって、確率上の奇跡は存在し、バカがおだてられたらとどまるところを知らないということを世に知らしめる例であった。

それは硬いのだった。曲がるくらいなら折れるのだった。
それは誰かの生き方に似て、ある種の尊敬すら、勝ち得ていた

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