よんたボーナス レムーリア外伝(5)

 良狼のここのところの楽しみは奈穂を受け止めることだった。色々なものを捨てて長い旅をして得た報酬が、それである。
彼はそれで、とても満足している。

「ずいぶん機嫌がよさそうだ」
「そうかな?」
 奈穂とのそんなやりとりも、良狼は嬉しい。
良狼はああ、と微笑むと朝の空気を吸った。気分がいい。夜明け前だが、だがそれでも。

「そういえばね、良狼さん」
「うん?」
「いつも訓練する途中の道でね、面白い兄弟の人がいるの。近所でも有名みたい」
良狼は微笑んだ。その兄弟が褌兄弟として有名なことを知ったら笑いも微妙になるだろう。

良狼が微笑むので、照れる奈穂。自分で自分の指を絡めて、良狼を見上げた。
「良狼さんに、ちょっと似ているかな」

照れて笑う奈穂に、微笑む良狼。
事実は一生知らない方が彼の幸せであるようだった。

「そうか」
「うん」

良狼は奈穂以外には見せない笑顔をむけると口を開いた。
「あってみるかな」
いや、だから会わない方がいいって。

「うん。きっと仲良くなれると思う」

奈穂と良狼は同時に微笑んでうなずくと、これまた同時に家の明かりがついたこと気付いた。

「雷蔵が起きたな」
「じゃあ、私、訓練に行ってくるね」
「ああ」

二人は小さく手を振って別れた。
これが二人の、一日の始まり。

そして奈穂は日々の日課である40kmを2時間で走り、良狼は相棒の世話をやくことになる。

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