亀助ボーナス レムーリア外伝(3)

 一方その頃。

岩手の家。

岩手の家は、彼の収入に似つかわしくない、3間日本家屋である。
それでもなぜその家が選ばれたかと言えば、岩手の同居人の趣味だった。故郷の家に似ているという理由で、日本家屋のファンだったのである。

その岩手の同居人を、滋賀小助という。
少年である。少なくとも、見た目はそうだ。美形や可愛いと形容するほどではないが、人の目をひきつける魔力のような魅力を持ち合わせてもいた。知識や戦術は熟練を超えて老獪ですらあり、その気になれば落ち着いたことも言える。

彼は今、隠居中である。

元は大病を患い、死ぬのは避けられないので絶望し、全てから身を引いて静かに暮らしていたのであるが、危うく死ぬ直前にかつての相棒で今は永遠の相棒である岩手が治癒師を探してきたのである。岩手は仕事も立場もみんな投げ打ち、七つの世界を渡り、この偉業を達成した。

 ソファに足を伸ばし、岩手の事を考える小助。心配そうに猫娘が二人小助を見ている。

俺を助けるのは当然だ。と考える小助。考えた後で、ちょっと照れた。

それにしても小助はやることがない。
隠居して身体がいえて、それでこれからはナンだって出来るのだ、とは思うのだが、小助は別にやりたいことがなかった。昔は強くなりたいと思っていたが、今は、死を悟ってから自分の生きた証をと思って鍛えた優秀な弟子がいるし、……どちらも同じ女に入れあげているのが癪だが……別に冒険に出たいわけでもない。

ごろりと横になる小助。ぶっちゃけ彼の場合、岩手さえ傍にいれば、あまりやりたいこともないのであった。

岩手の会社に俺も行くと行ったのであるが、外見的に無理だと言われて、それで隠居が続いてしまっている。

むかついてわめきだす小助。殺してやると物騒なことを言う。
そして起き上がった。

隠居した人間そのものの、いささかずれた感性で、暇だから岩手に昼飯でも持っていってやろうと考える。なんなら一緒に食べよう。

小助はそう思い、喜ばれる自分に確信して、いい気になった。


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