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zoom RSS 物語で見るバトルメードメードイズナンバー1最終戦

<<   作成日時 : 2007/02/18 01:41   >>

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 最初から勝てない戦いだったのだ。
松井。は便宜上仕方なく身に着けた気に食わないスカートを揺らしながら胃に重いものを感じながら走った。

 何もかも駄目だと、ぐるぐる考えながら走る。
出来るとすれば敵の性格につけこんで、国民との距離を取る、ただそれだけ。
事実上のデスボランティアだった。人数が少ないのは被害を減らす以上のどんな意味もなかった。

最高の立地条件に誘導して、攻撃を開始する。
絶技が発動できない自分の身が、悲しかった。

姿を現したS43、生き残った詩歌とうなずきあって最大の火力を集中した。
爆発も弾丸も理力も片手で握りつぶされ、緩やかに近づいてくる金髪の男。
白い布を身にまとい、戦争舞踏服も武楽器すらも、呼び出してはいなかった。


僕がいけなかった。
震える声で詩歌は松井。に詫びた。
あんなのを交戦相手にして、にゃんにゃん共和国でもなければ勝てるわけがない。
いや、共和国でも勝てないかも知れない。

「弱気にならないでください。気が散りますから。いいから撃って」
松井。はただひたすら眠かった。もう眠たくて眠たくてしょうがなかった。


 敵の男は、魂が揺さぶられるほどの整った顔をしていた。
その表情には松井。やS43を心配するところさえあった。

頭の中を何もかもかき回されるような直接脳に響く声で、敵は松井。に声をかけた。
”なぜ地べたすりの真似などする? なぜ絶技を使わない”

距離はすでに20mをきった。いつのまにか銃の弾が切れていた。身の回りに集まり始めた青い加護の光さえ、今は薄れ、消えていた。
松井。は、ヤガミにコーヒーでも飲ませたいとか、そんなことを考えていた。視界の隅になにか映った気がしたが、松井。は気付かなかった。

目を細める敵。
”赤で男?里子にも出されていないのか。それにその青はその外見で声しか飛ばせないのか”

敵は、不意に目を全開に開けると涙を流した。場違いなほど、綺麗な涙だった。

”そこまで疲弊していたのか。そうか”

敵は手を向けて優しく思った。

”次に生まれるときは、良い子に育つといいな”

ただそれだけで、になし藩国の半分は消滅した。

/*/

 松井。を助けたのは八神少年だった。
妖精号を呼び出して松井。とS43、詩歌を押したのである。

妖精号の下半身が吹き飛び、ばらばらになって機体は市街地を転がっていった。

ただの穴しかない片目から血を流し、八神は残る片方の目で杖を振るって敵を見た。

敵は
”まだマシなアラダも生き残っていたか。いや、違うな。その材料の一つか”

「アレを蹴るのも締めるのも俺だけの権利だ」

”そうか。恋仲か”

敵は瞬間移動すると八神を戯れに捕まえようとした。
未来予測し、杖を使って方向を変え、一撃をくらわせる八神。
そのまま距離をとって松井。を逃がそうとする八神。

敵は微笑むと八神の頭を掴んで高く吊り上げ、その様を松井。に見せびらかした。

”アレとやら。私は白にして銀に仕える白にして童心のボラー。気が変わった。お前達が争って死にたがるのは、面白い。”

”お前に力をやろう。強くなろうという気にさせてやる”

ボラーは、微笑んで八神の頭をゆっくり握りつぶした。

松井。のアイドレスが停止した。残虐な光景に配慮して、アイドレスの自動対応機能がプレイヤーを切断したのである。

戦いは終わった。

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