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help RSS 電網適応アイドレス<Hello new world>(3)

<<   作成日時 : 2007/01/06 05:01   >>

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 そこから先は、あまり覚えていない。
記憶はとびとびで、私は、嫌なことばかりを考えていた。

「亜細亜の言うとおり、吹雪センセイは仲間だよ」
そう恥ずかしそうに笑うみらのちゃん。

「なに? あ、そうか。あははは。分かった、分かった」
何が分かったの?みらのちゃん。

「譲ってあげるよ。私、男よりも友情とる。それに私、やっぱヤガミとか、ヤガミが好きだし」
人を物みたいにやりとりするようなことを笑って言ったみらのちゃんが恐くて、私はかばんを抱いて走って団地に帰って自室のドアをしめて泣いた。

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 目が覚めたのは夜も随分ふけてからで、私はお母さんが夜勤に行く前に作った電子レンジで暖めたスープをすすって、鼻を鳴らした。吐きはしなかったけど、それ以上は食べることが出来なかった。

遠くのテレビの声が聞こえてくるのが恐くて、ベッドに戻って布団を被った。
テレビは恐い。バラエティでは笑って人が人を叩いて、それを見てまた人が笑っている。

何も考えないように、何も考えないように、何も考えないように。

やっと外に出れるようになったのに、もとに戻ってしまいそうだった。
やっぱり外はこわい。恐いよ。

/*/

 九九をずっと唱えるうちに、不意に吹雪センセイの声がはっきり聞こえた気がした。
本当に突然で、夜に目を開けるくらいにびっくりだった。

「人の心には翼があって、自由にどこにでも飛べるのだと、思うとおりの人生を送ろうと思えば出来るのだ。そのための勉強だ」

センセイ、私にも翼は生えるかな。勉強一杯すれば。

恐くないところに飛んでいけるような、そんな翼が。

 そう音のない声をかけて、そして吹雪センセイがみらのちゃんに笑って訳のわからないことを言って二人で笑ったことを思い出して、私は左胸が痛くなった。

痛みがおさまるまで、じっとする。

 その後で私は、決意して、そしてこっそりお母さんの部屋に入ってパソコンをつけた。
仲間はずれが恐かった。パソコンも恐かったが、それ以上に。

フリースクールではインターネットの授業もあるけれど、私はこわい記事を見るのが嫌で、いつも星座とか花とかのホームページを見ていた。それ以外を見るのは、はじめてだった。

検索エンジンのところへ。そこで手がとまる。
吹雪センセイとみらのちゃんは、なんていってたっけ。ドレス……レンジャー。
アイドレス。

深呼吸して、検索をかけた。

ガンパレードマーチあれそれ
というホームページが出てきた。

 片目づつあけてページを読んだ。難しいことがかいてあって、なんのことだか分からない。悲しくなって、すぐ挫折しそうになった。

別のページを探した。

2番目に見つけたところは、電網適応アイドレスと書いてある。
また難しそうだったが、緑色だからきっと恐くないと、そう自分に言い聞かせて読み始めた。

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