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zoom RSS 投票ボーナス4 英吏&斉藤

<<   作成日時 : 2007/01/01 03:13   >>

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恋愛百景(4)

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 一方その頃。青の厚志と英吏はゆるやかに歩いていた。
英吏のいましめは取れ、英吏は源がどうしているか、考えていた。

「なぜ連れて行かれるか、分かる?」前を歩く青が、そう言った。
「分かりませんな」分かっていながら、そう言い放つ英吏。

「本当に?」青は背中越しにそう言った。どんな嘘も切る様な、そんな視線だった。
「ええ」英吏は、堂々と静かにそう言ってみせる。

青は追求せず、前を見ながら言った。
「斉藤さんが君に手料理を食べてもらえたらいいなって」
「だったら彼女がいいに来ればいいだけです。貴方が来る必要はない」
英吏の声は、冷たい。斉藤とのことで、他人がとやかく言うのを彼は嫌った。
英吏は嫌われ者だった。有能ではあったが、やり方に問題があると誰もが言う。この時もそうだった。英吏は斉藤を守るもっとも簡単な手段として、斉藤と距離をとろうとした。
英吏に近いというだけで、人はその女を、滅茶苦茶に言うのが常だった。

「彼女が来たら、逃げるんだろ?」青は言う。
「そんなことはしません」
英吏は誰もが信じそうな真心の篭った声でそう嘘を言った後、それだけは綺麗な青い目を伏せながら言った。
「ですが、貴方がどう考えているか分かりませんが、実際のところ私は彼女に嫌われています。その結果が斉藤の手料理による処刑と言うのであれば、嫌われる覚えはありませんが、死ぬのも仕方ないでしょう」
「好かれていると思うよ」
「主観の相違ですな。私はそう思いません」
英吏は笑った。
「好かれて見たいとは思いますが、無理でしょう。嫌われる覚えがないと言いましたが、あれは嘘です。覚えは沢山ある。私はそういう人間です。彼女に優しくできなかったことも、一杯ある」

青は立ち止まった。そこには斉藤がいるはずだが、いなかった。
舞を見ると舞は逃げたと、短く言った。

英吏は目を伏せて微笑んだ。
「ほらね」
「追うんだ、英吏、今なら」青は言った。
「御免こうむる」
英吏は大きな声でそう言った後、寂しそうに微笑んだ。源の言うとおりだと思う、後で奴を殴り返そう。
「貴方が英雄なのは良く知っています。我々の王になるであろうことも、だが、それで私の心まで支配したつもりなら、大きな間違いだ」

そう言って英吏は背を向けた。
走ったりせずに歩いていったのは、彼の意地であった。

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