13日目(夜)39 ペロ大ピンチ(1)

「ペロ、ペロ遊びに来てくれたのね、良かったっ!」
尻尾ふりふりの勢いでポチ王女は抱きついてきた。手を伸ばして頭を掴んで抱きつくのを阻止するペロ。

ポチ。すぐ怒る。ふわふわの髪を膨らませて怒った。がるるるである。
「なにその態度!」

「俺は触られるのが嫌いだ」
ペロは黄色いジャンパーを揺らしてそう言った。取り付く島もなにもないそんな感じだった。

「美少女なのに?」
傷ついた風に目をうるませるポチ。確かにまあ美少女ではあった。もっとも性格はかなり最低の部類である。
「それがどうした」
ペロも、どっこいどっこいであった。主として性格が。

「ひどい、せっかく遊んであげるって言っているのに」ハンカチをがじがじするポチ。
「そうか、邪魔したな、俺は仕事に戻る」
ペロは即座に背を向けた。
「うそ、嘘です。ペロサイコー! わーん。見捨てないで、同じ閑職同士でしょ、仲良くしよ、しよ?」すぐ負けるポチ。この人物、深みというものが全然ない。そのせいか、ゲームの中ではクールな人物を演じるのが、大好きであった。
振り向くペロ。
「銀河を二分する国の王女が、閑職なのか」
「そうよ。だって何にもさせてくれないんだもの。見ろ猫だ、核でふっとばせとか出来ないのよ。ひどいと思わない?」
「どっちがひどいか考えたがいいな」
ペロは、ポチがギャグを言っていることに気付いた。
「あ、今笑った。ペロ笑った」嬉しそうなポチ。
「笑ってない」
ナイスアイデアのポチ。実際のところは、はるか昔からそう思っていたのだった。
「そうだ、ペロ、アイドレス開発会社なんかやめて王宮につとめない?大臣にしてあげる」
「いらない」にべもないペロ
「なんで?」
「俺は民主主義者だ」
「なによそれ」難しい顔のポチ。
「選挙で国王を選ぶ、ちょっと違うが、まあそんな感じだ」
ペロの説明に、ポチは首をかしげた。
「顔だけかわいいバカ女が国王になったらどうするの?」
「それはギャグだと思いたが本気そうだな。ふむ。まあ、任期があるから、その間にひどいことにならないことを祈るばかりだな」
「適当だなあ」がっかりした風にポチ。いいアイデアだったら国政に取り入れようと考えていた。
「そうだな。それより、ゲームは?」
「あ、そうだ、新作でたのよ。ガンパレード・オーケストラ青の章。限定版買うのすっごい苦労したの。通信障害もねえ、なんか直ったの」尻尾ふりふりの勢いで、ポチは言った。
「白のほうには戻らないのか」ペロ。
「え……だ、駄目よ」
急に尻尾なえーの、ポチ。
「なんで」
「さ、佐藤とかいるし」
「好き、ではなかったのか?」
「そ……ぺ、ペロほどじゃないわよ、ほんとよ」
「逢いに行けばいい」
「駄目よ」
「なぜ?」
「相手が猫だったら絶対泣くから」

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