10日目(夜)26 ガンパレード・オーケストラ緑(2)

ロボが咲良を前に途方にくれていると、そこで二人の少年が顔を出した。
源と、英吏である。二人でやることもなくぶらぶらしていたのだった。不良の不良たる所以はやることないと見回りするあたりである。

「よお、咲良」源は、にやりと笑って言った。
「あ、ゲンだ」咲良は、源を気に入っている。精神年齢がかなり近いのだった。
「おー。源様よー」すごく嬉しそう+偉そうに笑う源。ロボのほうを向いた。
「なんだ、おっさんまだいたんだ」
「健司。相手は大統領補佐官だぞ」小声で言い添える英吏。
「あン?それがどうしたよ」顔をしかめる源。
「いや、わかってやってるならいい」笑う英吏。
「英吏、お前は、肩書きでケンカすんのか」
「いや、やらんな」
 二人は同時にうなずくと、上着を脱いだ。投げ捨てる。

「咲良泣かす奴はぶっ飛ばす」拳を伸ばして源は言った。
「ま、付き合いという奴ですな」眼鏡を指で押す英吏。

「泣かしているのは谷口君だ」冷静なロボの論評。
「またか!」源が叫んだ。肩をすくめる英吏。この二人、谷口はもてるので嫌いである。ありていに言うとかなり深刻にひがんでいた。
「人聞き悪いことは言わんでください。自慢じゃないですが隊長に自分が泣かされても自分が隊長を泣かす可能性は全然ありません」胸を張って言う谷口。
「それもそうだな」納得する源。うなずく英吏。
「んじゃ、なんだよ」我に返る源。

「ちょっとしたスカウトをね……そうだ」ロボは、この際少しでも戦力をそろえようと思った。
「なんだよ」たじろぐ源。
「ケンカの手伝いをお願いしたいんだが、なに、ちょっとしたゲームだ」
そう言うロボ。源は、吐き出すように言った。
「俺はゲームで殴りあいなんかしねえ」
「そうか、ガム1年分だったんだが」残念そうに、ロボ。
「あ、ちょ、ちょ、タンマ。やるやる」
「源」たしなめる英吏。

源、英吏を連れて部屋の隅に。ひそひそ話。
「別に相手殴るこたないだろ、一発食らって気絶してガムいただきだ」源、英吏の耳元に。
「そういって殴り返さなかった源健司を俺は見たことがない。だがまあ」英吏、計算中。斉藤の手料理から逃げられるならこのさいどういう理由でもいいような気はした。

二人同時に振り返って指差した。
「乗った!」

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