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zoom RSS 8日目(夜)20 真央の旅

<<   作成日時 : 2006/12/10 22:29   >>

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とりかみさまのおはなし

 その昔、エチオピアに未来を見通す瞳を持った女がおりました。
その見るところはことごとく真実となり、それゆえに恐れられ、一人遠ざけられておりました。

 空を飛ぶ鳥たちはこれを哀れみ、伝令としてエチオピアの瞳の住まいに立ち寄ると日々の話を伝えるようにしました。渡り鳥はこうして生まれました。

エチオピアの瞳は鳥たちの来訪を喜び、心配事を語ります。
それは彼女が垣間見た、まだ生まれてもいない、一人の子の未来でした。

鳥たちはいいました。
「心清い人よ。僕達は心震えました。僕の琴弓ならば、あるいは貴方をこの牢から出すことも出来ましょう。だがそれは、貴方の美しさを汚すもの。僕達は貴方のためではなく、貴方の思いのために力をつくしましょう」

鳥は世界中に散らばり、世界中の名前を持つものに助力を要請しました。
それは誰も見たことのことのない子を助ける要請です。
これには人も木々も動物達も空も海も風も山も協力し、一年の四分の一をそれぞれ、一羽のペンギンに預け、固めてこねて冬の宝珠にして、来たる戦いのために貯めることにしました。
そして千年の冬を越えて蓄えられたその力は、ただ一人のために。

ただ一人の心に闇を払う銀の剣を出現させるために使われるでしょう。

それが賢いことなのかどうなのか私には分かりません。
ただ私は思うのです。賢いと言うものに、いかほどの誇る価値があるのかを。

<アルガナ勲章を渡すとき、大統領から口伝で伝えられる物語>
<1999年4月16日>

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8日目(夜)20 真央の旅

 なおちゃんは今日にもいなくなるんじゃないか。

 真央はその可能性を考えるだけでここ最近眠れずにいたが、なぜかその日だけは、21時過ぎには、眠れていた。
夢も見なかった。悪い夢を見る自信はあったのだが。
ありえないことだったので真央は、それは神様がやったのだと思った。

夜には夢が、ファンタジアが、まだいるのだと。

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 目が覚めたのは日が変わる直前だった。
いつのまにか耳元に赤い目覚まし時計がおいてあって、それが23時59分に鳴り始めたのだった。

鈴木真央は、目を大きく開いて息を飲んだ後、何かに呼ばれたように、あわてて外に飛び出した。パジャマ姿で、裸足だった。持ち物はというと、目覚まし時計だけだった。

道を走り白い息を吐いて足がもつれそうになって、そこで真央は、こんなに寒いのに腹を出した服を着た、長身の男に出会うことになる。金髪で、その瞳は、清廉な水のように青かった。

 男は帽子を取ると真央にかぶせた。

「いけ。お前は間違っていない」

それだけを言うと、男は道を指さして、そして背を向けて歩き出した。

真央が白い息を吐いて呆然としていると、暗がりから目つきの悪い大きな猫を背中につかまらせた白いミニスカートの女が慌てて走ってきた。真央の前に立って、男を見た。
「ちょっとっ!もっと優しい言い方はないの!? あーもうっ」
そして横目で、真央を見て、小さく手をあわせてすまなさそうに笑った。
「ご、ごめんね。あ、でもあの人の言ってること、結構正しいから」
そしてあわただしくマフラーを真央の首に巻いて靴を脱ぎながら口を開いた。
「保障する、おかげで私、昔すっげえ嫌女だったけど、結構美少女に育ったの」
靴を渡す女。豪華絢爛に笑って見せた。
「あ、これあげる。靴擦れだけはしないでね」

そしてあーん。まってよぉ、ダーリーンと言いながら走っていった。びっくりするほどの早業だった。

真央は目覚まし時計とマフラーと帽子と靴を順に見た後、慌てて男が指差した方向へ走ることにする。
画像


イラスト: No.388 帽子とマフラーと目覚まし時計 NAME : はる / TIME : 2006/12/07 (Thu) 07:34
なにもかも間違っていますが、心は確かに届きました。

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