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zoom RSS 7日目(暁)19 小助救出作戦結果

<<   作成日時 : 2006/12/09 02:17   >>

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時は、戻る。防衛戦が始まる、その前のことだ。

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 レムーリアの山岳地帯は厳しく、寒さといったら、アイドレス泣かせであった。
藩国で投入した3機のうち一機が壊れ、パイロットの岩上が死んだ日もそんな日で、その同僚である双海飛鳥は、深く祈ったその後で、しめやかに葬儀を行う傍の藩王に、これも一応戦死ですかねと、そう尋ねていた。

荒川真介、芥辺境藩国王は、口を開き、人助けだから、きっとそれ以上に価値があると、そう言った。
国庫を空にして一人を助けるための捜索活動を行った王の、それが考えであった。

 そのやりとりが聞こえるから、小助に贈るファンたちの花束を大事そうにかかえ、高渡は顔をあげられずにいる。小助のため、もうやめてくれとはいえないのが申し訳なく、ただありがたかった。

真介王は慰めるように言った。
「まあ、サターン王よりはましだろうよ。あそこは赤字でどこかの属国になるそうだ」
「ああ、アズマという女を出すために借金した藩国の」
「歴史は稀代の愚王と彼を呼ぶことになるだろうな」
うらやましいという感じで、真介王はそう言うと、回復をはじめた空と天候を見上げ、さあ、もう一度探そう。と言った。

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 晋太郎は目を細めて空を見上げると、弟から際限なく降り注ぎ、届き始めた魔力を受け取った。

魔法の国が、神々の国が蘇る。

晋太郎は目をつぶって下を見て、そうして治癒呪文を使い始めた。
サウドと知恵者は口だけで音もなく笑って背を向け、広島へ移動を開始した。

見つかったぞという声が、遠くに聞こえていた。

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 アイドレスから降ろしてもらい、雪の斜面のその上をすべるように高渡は花束とともに降りていった。

彼女が旅に出る前に、小助に言おうとして練習していた口上はこうだった。
「こんにちは。いつもにこにこメッセンジャー。
あなたを想う人達からのメッセージをお届けにまいりました。
受け取りのサインをお願いします。」

言葉を思い出し、自分がお気楽に過ぎたと高渡は思って、泣いた。

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 それから10分もしないうち、目をつぶっていた小助は、ゆっくり目を開いた。
魔法による造血作用が働き、眠気が、覚める。寒いと急に、感じ始めた。
ロイと、晋太郎と、岩手と、泣いている見知らぬ女の顔があった。
寒さから身を離すようにして上半身を起こし、小助は、とりあえず岩手を蹴ってぶっとばし、遅い。と一言言った。貴方が怪我するから悪いんですと、岩手は言い、だいたいなんで寒さをしのげるところじゃなくてこんな風光明媚なところにしたんですかと、文句を言った。

小助、岩手が起き上がれなくなるまで蹴って殴った。

肩で息をする小助。この時点でようやく花束を抱いたまま泣いている高渡の存在に気付いて、小助はなんだ、この女はと晋太郎に尋ねた。
晋太郎はスズランだガーベラだ小麦だなんだと色々集めすぎてなんだが良く分からなくなった花束を見て笑った後、君は、人気があっていいなと言った。

何か言う高渡。
小助は分かんなと首を振ると、なんと言っているんですかと、ロイに尋ねた。
ロイは口を開いた。小助の後輩にあたる彼は第7世界の言葉にも、造詣が深かった。
ロイは言葉を翻訳して笑い、そうして小助にこう言った。
「彼女は貴方の名前をつけた子猫を飼っているそうだ」

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