ガンパレード・オーケストラ(白)コース1

一方その頃。青森。

 佐藤尚也は、西日すらも閉ざすような曇った空を見上げた後、目を伏せた。
傍らには鈴木ファンタジアだったものがあり、なおくん、なおくんと言って、優しく笑っていた。

長い家路を、帰り始める佐藤尚也。
風は涼しいを越えて寒く、佐藤は襟を立てて風を防いだ。
「風邪引くよ、真央」
「ありがとう、なおくん」

佐藤は輝くように笑った鈴木を見つめて5秒、瞳に浮かぶ絶望を隠して歩き始めた。
2月から、ファンタジアは、変わってしまった。周囲はまともになってよかったと言うが、佐藤は鈴木からファンタジアがいなくなったと考えている。

今日は何をたべよっか。途方もなく日常的なことを言い、笑ってみせる真央。

俺が愛する女は、こんな女じゃない。 歩きながら、佐藤はそう考える。顔は、自然と前を見た。
俺が愛しているのはもっと絶望的に現実を見て、絶対零度の中でも胸を焦がす何かをもって未来を見るような、どんな現実の中でも誰かの幸せを願って戦えるような、そんな女だと思った。

この女は、たぶん単なる入れ物だ。

佐藤は正しくそう推察した。だとしたら、俺がこの女に固執する必要はどこにもない。

「なおくん……?」
「なんでもない」

佐藤はそうぶっきらぼうに言った後、ファンタジアの居場所を考え始める。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 12

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた
面白い 面白い
ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)
かわいい かわいい