番外 戦闘詳報 Aの魔法陣による大規模作戦(2)

 主戦場になったエリアはサターン小隊が偵察に出た運動公園の北、中国自動車道とその下を通る道、生活道路が交差する場所である。
コンビニもない十字路であった。

高機動車を盾にして、サターン小隊は顔も上げられないほど撃たれまくっている。
そこに第三中隊(ニンジャ)中隊のアシタスナオ小隊が値千金の到着で火力支援開始。
敵を押し止めることには成功しなかったが、弾切れで往生するサターン小隊を救出することには成功した。

このアシタ小隊には前日に引き続いて浅田舞子が参加している。
「埴輪だか土偶だか知らないけど、訳判らない連中はうちの男共だけで十分なのよ!」
などと言いながら、戦場に到着したのであろう。たしかにこの小隊は変人の集まりだったが、実際のところ、彼らが迅速に移動を行わなかったらその後がどうなっていたかは、わからない。少なくともサターン小隊は全滅していたと思われる。

一番近くにいた第1中隊のぷーとら小隊は移動が遅れていたのである。

 同様にして、足並みの乱れは各所であった。大神小隊は一時期完全にストップしていたし、ストップはしていなくても渋滞している場所はあちこちにあった。
ニンジャの第三中隊でははやばやと統一運用に見切りをつけ、五月雨式になる愚行を把握しながら戦力を小隊単位でばらしてつかいはじめている。
彼は展開しすぎていた戦力を緊縮し、敵正面、すなわちサターン、アシタスナオ小隊に増援をどんどんおくりつけていた。

一方、第1中隊の先遣偵察隊のもう一つ、詩歌小隊では大きな事件が起きている。
少し離れた場所で渡河地点に張っていた詩歌小隊が敵の増援を見つけたのである。

ここで初めて司令部に敵の形が知られることになる。
以下に報告を引用する。

水式―――――
「土偶です、こう、大きな土偶。弥生式土器?……いえ、嘘ではなく」
「……こんな報告、嘘でできますか」
頭を抱える。
頭が痛いのは幻視のしすぎで酔ったから、ではきっと無いのだろう。
「正直頭が痛いというより、もう頭痛が痛い」
―――――

よんた―――――
「・・・・・・・ハニワ??」
「もしもし~本部~。ハニワがあるいてるんだけど?」
―――――

誰もが間抜けだと思ったが、戦況は余談を許さない。そのまま敵の増援がなされれば、正面から力押しで突破される可能性があった。

 ほぼ同時刻、ようやくにしてXH-834は第四中隊を掌握、中隊揃って展開に成功。今や戦場の中心になったサターン小隊の右翼側に遷移して攻撃を開始しはじめた。

/*/

ここで第四中隊の様子を見てみよう。
akiharu@涼原亜季の報告を引用する。

―――――
中隊宿営地にて。後方火力支援部隊であるわたしたちは暇を持てあましていました。
玄霧班長「素数を数えるんだ・・」
西東辰郎「2・3・5・7・11・13・17・19・23・29・31・37・41・43・47・49・51・53・59・61・67・71・73・79・83・87・89」
白河 輝 「1・2・3・5・7・11・13・17・19・23・29・31…」
西東辰郎「91・97・101・103・107・109・111・113・117・119・121・123・127・129……あれミスってるか?」
涼原亜季「なっ、何でみんな素数を?!」
「人それぞれに精神の落ち着け方があるのだ」とか言いながら手元では編み物をしていたのは高野沙耶さんでした。
でもみんな素数好きすぎると思います。

追記SD:暇させて申し訳ない。(10日以内に改善します)
―――――

 ともあれ、まとまった中隊火力、それも火力支援部隊の火力は圧倒的であった。
XH-834は火力を叩き込み、畑一つを月面のように掘り返して敵に大損害を与えている。敵の右翼側の突撃は、これで完全に粉砕された。

 同じ任務についていた第1小隊の残部隊であるぷーとら小隊と結城班を加えた増強小隊は、その圧倒的火力を見て口をあけた。本職は違うなあというのが、その感想であった。

/*/

 戦闘は動いている。
数回の痛撃を与えたが敵は全然、応える様子もなく、どんどん戦力を集めている。
この気持ちの悪い手ごたえに大隊本部は顔をしかめたが、とはいえ、退くにも進むにも現状は非常に良くない感じで乱戦が発生しており、身動きとれない状況にある。
これは中隊から小隊への命令のタイムラグが激しいためのせいであり、結果陸軍一般にありがちな、指揮の思い通りにならない状況が発生した。

敵味方相手の全容が読めない中、作戦らしい作戦なしに打撃戦が行われている。
敵は緊縮して兵力が減った左翼から回り込むように兵力を動かしており、今や新しい戦線では最左翼になったサターン、アシタ小隊(+増援の第三中隊)の横を潜り抜けて包囲を完成させようとしている。

―――――第3中隊旅人小隊真夕班の報告
真夕:「真夕班了解」
真夕:「さぁ!ようやく我々の出番だ!野郎ども準備はいいか!?」
真夕:(重機関銃にリンクを装填)
真夕:「ロックンロール!!頭の上から機関銃弾のプレゼントだ」
日羽見 : 「俺の名前は日羽見十郎太。航空動物兵器の天才だ!
ミノタウロスだって、突っついてみせる。
だけど対空砲火だけは勘弁な」
光山 :「対空砲火に当るような、機動はせんだろうw」
日羽見 : 「無論、そのつもりです!
さぁ、敵の頭上に鉛の雨を降らせるとしましょうか!」
光山 :(重機関銃連射中)「おらおら!頭が高い!控えんか!」
日羽見 :「こちらに~♪おわすお方をどなたと心得る~♪」(歌いながら機関銃掃射)
光山 :「うむ!いい表情だ!褒美に鉛玉をつかわす謹んで受け取れ」
日羽見 :「今ならキャンペーン中につきオマケでもう1セット!」
光山 :「せこいこといわんでも予備弾は、たーんとある。」

―――――
 この第三中隊の戦いでは、ついに近接戦は生起しなかった。
最初から最後まで機関銃が弾幕を張り、それで身動きが取れない状況で相手が応射、双方が盛大にうちあうものの双方に損害はなしという状況にあった。命中率でいくと4000発で1体破壊と、第二次世界大戦並の状況になっている。それでもまだ、敵の突撃を粉砕し続けているだけ、ましであった。

/*/

戦闘開始から2時間半。
味方は左翼を失い、敵は右翼を失った。このままではぐるぐると互いの尻をおいかけて戦うことになるだろう。果てしない消耗戦の開始である。

大隊本部はこれを嫌って矢継ぎ早に命令を出し始めた。そもそも消耗戦は、任務のうちに入っていない。

状況をひっくり返す切り札として(戦略予備として)温存する第二、第五中隊を突入させることに決定、第五中隊と第1中隊の残部隊であるぷーとら増強小隊に足止めのための攻撃を命じた。
まずは孤立しかかっているサターン、アシタ小隊を中核とする第三中隊を支援して戦線を回復、兵力を離す。そこからである。

 第二、第五中隊は移動終わり次第攻撃開始した。

ちゃきの第五中隊は狙撃兵を中心とした長距離射撃を開始した。
第四中隊が作った月面空き地を飛び越え、アシタスナオ小隊の前面の敵の頭を次々を狙い撃ちして支援攻撃を開始した。

―――――静@アリョーナの報告
-敵の真正面から狙撃
-しかし、現状は芳しくない
-かなりの弾数が装甲にむなしく弾かれ、殆ど有効打を出せていない状況だ
-足止めも本当に成功しているのやら・・・

「(それにしても・・・狙撃中くらい静かにしてもらえないものか、うちの小隊長は)」

-ちらりと月夜のほうを伺う
-・・・・・・カトラスをぶんぶん振り回しつつ大声で檄を飛ばしていた

「(・・・・・・・・・はぁ、やっぱり火力支援は向かない。あとで異動できるよう陳情しよう)」

-アリョーナは、ブツブツ言いながら敵装甲の隙間を狙い、狙撃を再開した
―――――

 アリョーナはそんなことを言っていたが、狙撃銃、中でも20mm弾を装備する自動砲は集中運用されたことで絶大な損害を敵に与え始めた。単発の自動砲のほうが20mm機関砲より強いという奇妙な現象が起きている。

その一方、敵の増援である大きな土偶(戦車推定)に今もはりついて偵察を続ける第1中隊詩歌小隊の誘導で第二中隊全力で敵側面から襲い掛かった。

詩歌小隊、銃を一発も撃ってないし、高い難易度の判定もしていないのだが、今回間違いなくMVPである。踏んだヘクスが最高だった。ともいえる。
動物兵器を装備する彼らは双眼鏡を武器に敵戦車部隊の移動を逐一知らせ、結果これが、第二、第五中隊の最大の前提変換になった。

第二中隊のかくたは処理が遅くてすみませんとあやまりつつ、眼鏡を指でおして火力戦を開始した。長く部下を待たせていた、その甲斐があったようであった。

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