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zoom RSS リターントゥ神々の宴(19)

<<   作成日時 : 2006/10/29 10:48   >>

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「お久しぶりです」壬生谷と呼ばれた男は、表情のない男だった。
「じいちゃん、この人誰?」月子にかばわれながら口を開く光太郎。
英太郎は底知れない、表情の読めない表情を浮かべた後、にっこり笑って口を開いた。
「知り合いじゃよ。さ、泣き止んだな。おやつを分けて仲良くするんだよ」
「じいちゃんは?」
「仕事じゃ」英太郎がそう言うと、光太郎は嫌な顔。光太郎にとって仕事言うのはたいてい光太郎に不利益をもたらすもので、だから光太郎は、仕事と言う物が嫌いだった。

表情を読んで笑ってみせる英太郎。
「わしの仕事は剣太郎のものとは違うぞ。わしの仕事はそう……」
夢があるといいかけて、英太郎は寂しげにふと笑った。魔術師に夢と呼べるだけの展望、未来があるわけもない。自分自身にもなかった。
「明日は、みんなでどこかにいくから、な?」
結局英太郎は全然違うことを、言った。
「どこ?」
「上野の動物園」
輝くような笑顔でうなずいた光太郎を見て英太郎は微笑むと、さて、壬生谷殿、参ろうかと言って歩き出した。

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「相変わらず、人間のようなことをやっていらっしゃる」
一緒に歩く壬生谷はそう言った。背の高さは2m近くあり、それでいて歩く時は音もない。名乗る名を志功と言った。

表情を完全に消して能面のような表情になる英太郎。いや、能面のほうがよほど表情があった。顔と同じようにスイッチが切り替わったように無機質に口を開く。

「社会の中で活動する際の一般反応の模倣だよ」
「魔術師の禁に触れえぬことを懸念しています」
「不要だ。今回の協同作戦の懸念になるようなら家族ユニットを交換するが?」

壬生谷志功は長く考えた後、口を開いた。

「もはや、わずかそれだけの魔術に払う魔力も十分ではない」
英太郎は何も言わなかった。
心は既に火車の討伐のことを考えている。

「火車か。ひわこか、足の速い狼神がいればいいのだが」
英太郎がそう言うと、志功は口を開いて
「あの二柱は魔術的に死んだ。魔力のない神は神ですらない」
と言った。
「どう戦うか」英太郎。
「事実を使う」志功。
「どのように」英太郎。
「魔力のない分は、血で払う」志功はそう言って、首都高速道路を見上げた。

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