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zoom RSS BALLSボーナス 白いオーケストラ裏舞台(後)

<<   作成日時 : 2006/10/17 19:24   >>

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 赤鮭は、祈るように剣を正面に据えた後構えると、かつては人であった、変わり果てた航を見た。
死体をひきずり、血をすすり、気持ち悪く笑うそれを見てわずかに顔をしかめ、片目を覆う眼帯を取った。

「瑠璃の王族ってやつをずっと嫌っていたんだがね……」
横一文字に剣を構える。受けることを考えない、攻めのみの姿勢。

「今度ばかりは父上に感謝か」

 次の瞬間剣戟がはじまった。赤鮭は瞬間移動して0.1秒刻みに自分を16個に時間分割。同じ時間に集めると、16箇所から同時に出現して一斉に剣を振るった。

航の各所が吹き飛び、中のものが床に流れ出た。しかし次の瞬間には赤鮭の絶技をコピー。
時間分割して憎い憎い憎いと言いながら両隣の世界から自らを補完した。

16の赤鮭は一体になると壁を蹴り上げ、天井を叩き、姿勢変化。
瞳を青く輝かせて剣の中に魔を出現させた。世界のバランスが崩れ始める。
青カモメが遠いどこかで、その波動を受け取るようにと願うと、赤鮭は輝く剣を振るった。

「全てを打ち砕け我が乙女、破滅のぉぉ!レダ!」

破岩烈破を決めた。

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真っ二つになった航は笑った。次の瞬間には赤鮭の絶技をコピー。
時間分割して憎い憎い憎いと言いながら両隣の世界から自らを補完しながら十連続で破岩烈破を決めて赤鮭を叩きのめした。

血を吐き壁まで飛んでずりおちた赤鮭を、見下ろし、執拗に蹴って蹴り殺した。


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>ω:どの高機動幻想を起動するか入力してください。
>ω:Sword_Embryo
>ω:パスワードを入力してください。
>ω:pass:?
>ω:pass:Human decisive battle existence
>ω:貴方の名前は?
>ω:名前:ACE_No003

**************
*Aの魔法陣 Ver4.0    *
**************

”貴方が負けたのなら七つの世界の誰も勝てはしないことを認めます。”

/*/

 英雄の携帯電話が鳴り始めた。電波に感応した電話周辺のリューンが黄金の輝きを見せ始める。
着信音は英雄召喚〜ソードエンブリオ〜である。

 どこまでも安っぽい女の声が歌の前の台詞を読み上げる。それはどこかの声優の卵が助けられた礼として心を込めて歌ったものだった。

”ソードエンブリオ、ソードエンブリオ、ソードエンブリオ!!”
”今日の合言葉はソードエンブリオ”
”本当の想いがある人が合言葉を唱えれば”
”どんな夜も越える英雄が登場するのでございますですぅ”

”英雄召喚! ソードエンブリオ!!”

 その電話こそは七つの世界の最新と最高の科学と深奥にして秘蹟たる魔術と叡智としか呼びようがないものが一身に集まった結晶であり、グレートワイズマンが保有する黒電話に匹敵する機能が備わった、ただ英雄をもとめて助けを呼ぶ声を確実に拾うためだけに空母一隻を軽く越える金額をかけて建造された装備であった。

彼らは大抵の場合、それと勇気だけを持って旅に出ている。
どんな武器よりも優先して最高のプレイヤーに選ばれた装備品は、この携帯電話だった。

電話を手に取る冴えない背の低い中年。口元は優しく笑っている。
「はいこちら、無料が自慢の英雄量販店、お友達は今日の合言葉を知っているかな?」
「…………リオ、ソードエンブリオ」
 消えそうな幼い小さな声に微笑んで”ロボ”は言った。
「かしこまりました。吉報をお待ちください」

電話を切る。電話の声と背後の声から助けを必要とする世界を割り出し、世界を渡るルートを考えた。最高のプレイヤーは最高の世界の謎ハンターを兼ねている。それはこの世のどこにあろうとも、ささやかな子供たちの願いをかなえるためだけの技であった。

振り返れば仲間と、どこにだってころがってそうなウォードレス・ルブランが大きな口をあけて待っていた。

「どうする?」そう尋ねられると、ロボは笑った。
「当然ながら、全部助ける」
「了解」
「いきますか」
「あいよ」

ロボは腕を組んで言った。
「いこう、最強がどこにあるかを見せよう。それは人の心の中にあるのだと、また人々に教えよう。……何度でも」

「最短移動経路。第1世界青森からノグチ・ワールドタイムゲート。チーム分割。チームA オキュ、ロボ。タスク、サーチアンドレスキュー。赤鮭救出後義体でマーズエクスプレス上のセプテントリオン残党を叩く、チームB 幾島、カレン、カタナ。サーチアンドデストロイ。正面敵と防御戦闘後、もっともあたらしい弟に戦い方を教える。良い旅を!」

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そして、今。

意識を失っている間に爆発が起きていたようだった。

 赤鮭が血を吐きながら薄目を開くと、どこか遠くで我を呼ぶ息子の声が聞こえた。
声が変化するように、はるか彼方から靴音が聞こえてくる。

固い金属を噛み締めるような、そんな音だった。

 何の変哲もない、場違いな背広姿、斜めに被った帽子。古い古いマーカーガン。
文句なく青く輝くネクタイピンはエチオピアの瞳で出来ていて、彼はその瞳に、世界が良くなるところをずっと見せていた。

 現れた男に何か言おうと口を開いて目を細める赤鮭。たくさんの01ネコリスたち、小さな神々が両手を広げて彼を守っていた。

「見えるんだろう? だったら立ちなさい」
声をかけるロボ。
「小さいものに守って貰ってどうする? そう言うものは守ってやるんだ」
赤鮭は、血だらけの口を笑わせると、よろけながら立った。

「よろしい」
ロボは笑って帽子をかぶりなおしながら言った。
「では戦いを、見ていなさい」

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