電網適応アイドレスSystem4

アクセスカウンタ

zoom RSS リターントゥ神々の宴(14)

<<   作成日時 : 2006/10/05 01:26   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

場面は、小学校に戻る。

 相田翔は光太郎と仲直りするつもりだった。
するつもりだったのだ。朝までは。

光太郎が、知らない誰かと仲良く遊んでいる所を見るまでは。
それを見て発作的にうずくまった瞬間、翔は10歳にして初めて知識としてではなく、実感として、自分が女だと言うことを知った。 自分が光太郎のことを好きだと言うことに、そのタイミングではじめて気付いた。

 それで、気持ちの整理がついていない。まさかという気もあった。
なんといっても光太郎は、翔から見ても幼い。大人ぶったところも背伸びしたところも、まったくなかった。本人からして人より優れているところを見せようとも思わなかったし、見栄という言葉の意味すら光太郎には、分かってはいなかった。ここ数日月子にいいところ見せようと考えているのが、光太郎の見栄らしい見栄のはじまりである。

恐る恐る横目で見たらそっぽ向かれて、翔は胸が高まると共に激しく傷ついた。急に色々ありすぎて、気持ちが悪くなる。
下を見て口を押さえた瞬間、光太郎は先生、相田が気分悪いって、と申告してさらに気分がぐちゃぐちゃになった。光太郎が自分を良く見ているのに安堵し、クラスから見られるのが恥ずかしく、優しいのとあの子は誰なのという思いで、自分でも訳が分からない。

 そんな翔の表情を見て先生は翔が留年する理由になった大病のことを思い出し、あわてて彼女を保健室に連れて行った。

/*/

それからどれくらいたったのか、翔には、分からない。


 感情なんか、なくしてしまいたい。

保健室のベッドの中で目が覚めた翔が思ったことは、そんなたわいもないものだった。
シーツに包まれた毛布を頭からかぶる。眠っている時はよかった。なにも考えていなくてもよかったから。

 感情がなければ、そうすれば、嫌なことはなくなる。
よりにもよって光太郎のことが、光太郎のことが好き、とか、そういうのも、ないし。

毛布をかぶったまま、身もだえする翔。自覚してもう一度考えても否定のしようがなかったが、光太郎が自分を好きならともかく、まさか自分が先に光太郎を好きだなんてと考えて、じたばたした。そんなのはどう考えても許せなかった。好きになるなら光太郎のほうが先で自分は譲歩するというこうなったらいいかなという筋書きがあった。

動きがとまる翔。
そもそも自分のほうが年上だ。自分は年上の人が好きになるだろうという漠然とした思いもあった。

だから。 だからもう一辺一日をやり直したい。あるいは感情をなくしたい。

そう強く思ったあたりで背中を強く触られてふぁぁと情けない声を出した。
慌てて毛布から顔を出すと、今まで見たこともないような怖いというか真剣な顔で、光太郎が自分を見ていた。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
リターントゥ神々の宴(14) 電網適応アイドレスSystem4/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる