緑のオーケストラ本祭 原・ストライク(13)まだら牛ボーナス

 変な時間に不貞寝したせいで、夜中に起きた善行は頭をふって部屋を出た。
水が飲みたかったのである。

冷たくてカルキのないほうがいい。善行は学校まで歩き、電動ポンプのついた井戸から冷たい水をくみ上げて飲んだ。笑顔になる。どうでもいいがこの人物、一々そういうところがじじむさい。

 空を見上げる。不思議の側の大河が良く映っており、善行はしばらく風を感じて、たたずんでいた。

この時間なら滝川君も起きてますね。善行は夜番の瀧川の所に遊びに行くことに決め、足を向けた。

月のない夜だったが、星の明かりで歩くのにさほど苦労していない。

ほどなく、たどり着いた。
「瀧川くん?」善行が顔を出して言うと、瀧川と結城火焔(およびコガ)がトランプをして遊んでいた。
瀧川、このごろ妙に人の扱いがうまい。
ハンガーのすみで隠れている火焔を引っ張り出し、数時間で食事をわけあい、トランプするまで仲良くなっていたのである。
「ういーす。どうしたんですか、委員長」ちょっと自慢げに笑う瀧川。
善行は火焔を見た後瀧川に微笑むと、その頭を、なでた。
「いや、なんとなくね」といい、自分も床に座り込んだ。

「楽しそうに遊んでるじゃないですか」
「委員長もやりますか」瀧川の言葉に、うなずく善行。
「いいんですか。僕は強いですよ。身包みはがされますからね」
火焔と瀧川が顔を見合わせた後、代表して瀧川が口を開いた。

「賭けはやってませんよ」
ひっくりかえる善行。

「じゃあ、なにやってるんですか」ひっくりかえって天井見たまま言う善行。
「俺たち未成年だし」瀧川。
「私興味ある」目を輝かせて言う火焔。映画で見たことがある。
「駄目だ」兄貴面で面倒見る瀧川。
「へーい」肩をすくめる火焔。
「ばう」上機嫌で尻尾を振るコガ。

善行は微笑み、腕まくりしてカードを手に取った。

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