緑のオーケストラ本祭 原・ストライク(9)劉輝ボーナス

場面は夜に、なる。

 清廉な小川には銀河の星が、映っている。
川原には8つだか9つだかの少女が一人、足をぶらぶらさせて座っており、暗い中苦労して顔を見ると、足にも負けていないくらい、退屈そうに、ゆれていた。

芝村未来は退屈そうである。
「おそいわね」
傍で優しく座っているマントの青年を玖珂晋太郎という。彼は優しく笑うと未来をほうは見ずに、もう少しだよ、と言って、風の音に耳をすました。

未来はあんまりこらえ性がない。晋太郎に言われて5分ほどまったが、すぐにまた飽きて、ついには寝そべってしまった。

「遅い」
苦笑する晋太郎。服が汚れるよといって、マントを貸した。
周囲は暗く、明かりもない。近くには病院が一つあったが、この時間だ、消灯されているようだった。


一方その頃。

銀河を明かりに、小太刀右京は少年を連れて、歩いている。

肌の浅黒い上田虎雄はもう長いこと黙って小太刀に連れられてあるいていたが、ついに我慢できずに口を開いた。
「こんなところまで来て、いったいなにがあるんですか」

返事がないのが怖かったか、虎雄は小太刀に近寄って声をあげた。
「ねえ。任務ってなんですか」

小太刀右京は戦車長あがりのウォードレスダンサーである。星を見上げ、優しく笑った。
「何を言ってるんだ少年。銀河があるじゃないか」
虎雄はつられて空を見上げた。怖いぐらい、星空が見えている。
「……我々は足下だけを見ていてはいけない。地雷だけを気にしている戦車兵は、いい戦車兵ではない」
 74式清子さんで鍛えられた鋭敏な聴覚を駆使し、話し声を聞き分ける小太刀。
なにか話をごまかされた気がする虎雄の頭を軽く叩いて、また歩き出した

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 小太刀右京と上田虎雄が合流場所に着いたとき、未来と晋太郎は向かい合ってあやとりをしていた。

光景を見ていつかの施設を思い出し、男泣きする小太刀。最近、泣きっぽくって仕方がない。
上田虎雄も未来の姿を見て微笑んだが、その後で嫌な予感がしたか、小声で小太刀に耳打ちした。
「……(小声で)頼りなさそうですね」
「外見で人を判断するとえらい目にあうよ。外見で判断して見た目通りなのはオレくらいのもんだ」
同じく小声で返す小太刀。背筋を伸ばす。
「どうも、小太刀右京と申します。古き盟約と新しい誓いのためにやってまいりました」敬礼。
未来はため息をついた後、あやとりのひもを首からさげて口を開く。
「聞こえているわよ。まあいいけど」
そして、周囲を見て言った。
「他の人は?」

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