NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(59)

ご注意:(連作です。第58回から続けてお読みください)

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遅れて到着したコガとその少女である結城は、泣いてる紅を見た瞬間に英吏を殴り倒していた。
「私の女になんてことすんのよ! このバカ!」
「誤解されるからそう言う言い方をやめろ」
 文面はさておき、実際には困ったように笑顔を浮かべて言う英吏。この人物、結城火焔を気に入っている。ありていに言うと強引で元気で一本気で物おじしない人物(この際性別は関係ない)が大好きなのだった。ついでにバカだとかなりポイントが高い。英吏の身の回りで親しい人物は、全部バカで固められていた。

火焔は鼻息粗く紅を抱いた後、ああ、大丈夫だよハニーと言って、紅に殴られた。ぶっ倒れる火焔。
「きつい愛情表現……」倒れたまま言う火焔。
「だから、誤解されるからそう言う言い方をやめろ。そんなことを言っていると男から嫌われるぞ」苦笑して言う英吏。
「ああ。心配無用。あたし、男嫌いなの」起き上がって、火焔。
「なぜだ?」
 同性の友達が欲しいからとは、火焔は言わなかった。
「べつに。どうだっていいでしょ。何よバカ犬」
「バウ」たしなめるように言うコガ。うなずく火焔。口を開く。
「そうね。いくわよ。英吏」
「分かった」

 ゆっくり歩いてクイーンオブハートに近づく英吏。
並んで歩く紅に半歩近づいて、小さな声で言った。
「心配をかけた。すまん」
「もう、しないで」小声で返す紅。
 英吏はあいまいに笑っただけで、何も言わなかった。

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 火焔、紅、英吏は雷電を走らせ、源とグリンガムに、並んだ。
「まだやっているな」
 音を聞きながら、源。無線を合わせながら、英吏はうなずいた。
「聞こえますか。隊長」

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 善行は2騎の人型戦車を率いて手づからアンフィスバエナを切り倒し、乱戦に突入していた。

「どうしました?」
英吏の声に、静かに答える善行。至近距離から戦車砲が火を吹き、敵が盛大に肉片を撒き散らしながら死んで行く。
 なぜ敵は逃げようとしないと考えながら、ヘルメットに付着した肉片をはぎとり、捨てる善行。
英吏は
「反転して参りました。4騎の雷電と4名の山岳騎兵がおります。これより指揮下に入ります」
「早いですね」善行は素直に驚いた。想定より1時間は早い。よほど急いで来ましたねと思う善行。まあ、仲間意識は、僕たちにも持っているということか。

英吏の声は、よどみない。
「ここは山です。ならば、我々山岳騎兵が一番早い」
 愉快そうに笑う善行。落ちてくる熱い薬莢を避け、またカトラスを振った。返事を返す。
「なるほど。今、敵と乱戦になっています。敵も味方も混乱状態だ。後ろから混乱していない皆さんが突撃すれば、愉快なことになりそうですね」
「分かりました。ご命令を」英吏の声。

あくまで隊長は僕、か。いいでしょう。善行はそう考えた後、顔を上げて叫んだ。
「雷電隊、突撃せよ!」
「は」

 直後に森を破って4騎が密集して現れた。一糸乱れぬ統率で、幻獣の群に一斉に突入した。
雷電達は戦闘腕と爪と口で、敵の最後尾を粉砕、そのまま血と肉の嵐を吹き荒らしながら敵陣を切り裂いて行った。

遠く雷電を見ながら、にやりと笑う善行。
まあ、信用してなかったのは僕も、ですねと思う。子飼いの部下と自分だけで決戦に持ち込んだのは、悪かった。

ようやく、敵の士気が崩壊する。撤退開始。
善行、無線指示。
「敵、撤退開始。これより戦果を拡張します。反撃を受けないよう、敵の前に出ないようにしてください。あくまで後ろから追撃を行います」
「承知しました」英吏の声。

 引き際を間違えた幻獣は悲惨な末路を迎えた。散々追い回され、一方的に殺されて行ったのである。
カンナのいない善行は、敵に容赦をしなかった。

戦闘は終結した。

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