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zoom RSS 斉藤奈津子(なっこちゃん)からの脱出 第5ターン 佑・ とよたろう

<<   作成日時 : 2006/04/22 18:28   >>

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竜造寺は、手の小指の第一関節の外側を懸命に押していた。
いや、全然効果なかった。

いけない。これではいけないと考える竜造寺。少々髪を乱して汗ばんでいるあたり、かなり追い詰められている。

関が原の合戦。
応仁の乱。
硫黄島。

色んな言葉が浮き上がっては心の中のトイレから流されていった。
まずい。これはまずい。
もう何度まずいと心の中で言ったか分からない言葉をつぶやく竜造寺。

しかも目の前には一人しかいなかったはずの女の子が二人に増えている。
片方を遠ざけても片方が残ってしまう。


――しまった。これは罠だ。


竜造寺は意味不明のことを考えた。
我に返る。考えろ、考えるんだ紫苑。こんな所で同級生の女の子2名に見られたら、学生生活終了な気が激しくする。特に竜造寺は、びっくりするほど女子生徒が噂好きなことを知っている。

まだ戦争が本格化する前、愛犬のためにコンビニでドックフードを買っていたら、翌日学校でその銘柄まで知られていたという経験が、彼を焦らせる。

竜造寺さんって×××が○○らしいよ。
あー。らしいよねえ。

そんな想像をして顔中を汗だくにする竜造寺。駄目だ、恐怖で震えてきた。
どうにかして脱出しなければ、脱出しなければ。
瀧川先輩を呼ぼう、多目的リングからコールする竜造寺。

反応なし。 絶望する竜造寺。いや、もはや絶望する暇もない。

「そういえば、瀧川先輩は?」
「瀧川さんは芝村さんと、村の人にリンゴくばりにいってますよ」
答える斉藤。

青の厚志が文字通り山ほど舞にリンゴを送っていたのだった。
斉藤も、10個ほど貰っている。そのうちの一個が、先ほどのリンゴだった。

駄目か。他に援軍、援軍は……。悪夢にうなされるようにつぶやく竜造寺。
斉藤が、時計を気にした。柱を見る。

「あ、あのあの、柱さんんんーに、お願いがあるんデス!」
「なん、ですか」柱は世話焼きさんである。竜造寺の額の汗をハンカチで拭いていた。手をとめて、斉藤を見る。

迷う斉藤、思い切って口を開く。
「あの、私、ちょっと上の階にいってきます」
「上……あの、神海さんが言ってた長い髪のひと?」
「は、はい。すぐ戻ります、ダッシュで戻りますから、お願いします!」

 柱空歌は、うなずいて優しく笑った。
「うん。いいよ」
「すみません!」

 ドアを破壊しながら全速で走っていく斉藤。
竜造寺は、目を光らせながら、これが最初で最後のチャンスかも知れないと、そう考えた。

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