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zoom RSS 斉藤奈津子(なっこちゃん)からの脱出 第4ターン  歌月・ 磯辺

<<   作成日時 : 2006/04/22 17:00   >>

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 追い詰められつつある竜造寺は、斉藤をはじめて真面目に見ていた。
そして少し、反省した。

 考えれば当たり前だが、斉藤にも色々な表情があることに、気づいたのだ。
殺人的な医療技術だけではない、もっと色々な思いや出来事が、一人の人間を形作っている。

 斉藤は、押し花を作っていた。白い花、赤い花、結構な種類がある。

僕は、浅はかだなと、竜造寺は思った。それとトイレは別問題だったが、それでも口を開いた。
「その押し花、どうしたの」

びっくりする斉藤、背中の毛を逆立てる猫みたい。
「あ、いえ、これは」
「綺麗だね」
「違います、違うんデス」
あわてる斉藤。あわてて押し花を隠した。

「ナンデモナイデス」
「いや、あの声色かえなくても」
 竜造寺、少し笑う。斉藤が、ちょっと可愛らしく見えた。
もっとも竜造寺の場合、後に古関里美に、一目惚れしているように、趣味は金城、結城に代表される力強い女の子である。斉藤とは、ちょっとタイプが違った。
この場合は惚れたというより、いいなぁと思ったというのが、正しい。

「隠すようなものじゃないよ」竜造寺は、若い下級生達なら男女ともに騒ぐような美しさで言った。
斉藤はちょっと涙目。違うと、繰り返した。
気まずくなる。なんと言えばいいか、竜造寺は往生した。

ドアの影から、柱空歌がそそくさと走り寄って来た。実は見舞いのために授業を休んで10分ほど前からいたのだが、中々出てこれなくていた。勇気が、なかったのである。

「紫苑君、なっこちゃん」
「柱さん……学校、は?」竜造寺は、驚きながら尋ねた
柱は顔を赤くした後、あ、あのね。寝坊して、それでと言った。言葉が、続かなかった。
顔を真っ赤にした後、硬直した柱を見ながら、一度大きく故郷する竜造寺。口を開く。

「お見舞い、ありがとう」
柱は、竜造寺と目があわないようにうなずいた。
「ありがとう」
もう一度言う竜造寺。 後ろでは斉藤が、一生懸命押し花を隠している。

正直に言えば竜造寺は自分がどんな怪我をしても柱空歌だけは自分の見舞には来ないと思っていたから、少々驚いていた。

「おとうさんから何か、言われたの?」
竜造寺の質問に、小さく首を振る柱。実はこの人物、これまでも竜造寺が病院に運ばれて1日の間に20度ほどお見舞いに来ている。ただ勇気が足りなくて、柱の影から出れなかっただけだった。
顔を赤くしたまま、口を開く、柱空歌。
「あ、あのね。大丈夫、痛くないって、聞きたくて」
「麻酔が効いてるから大丈夫だよ」

 竜造寺は優しく笑った後、蘇った衝動に、変な顔をした。

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