NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(45)

 源と英吏は、それぞれ片手でお互いを補う形でウォードレスを着用すると、それぞれの雷電に乗って厩舎から出撃。

 あっという間に村外に走り出た。
もっとも、着用中2回ほど意見が割れて互いを殴り合っている。もっとも普通は平均3回殴りあうので、今回はまだ仲良くやれたほうかも知れぬ。

「へへ、上手くいったな」
「まったくだ」
 源と英吏は並んで同じくらい背が反り返るほど爆笑した後、真顔になり、英吏の判断で先の戦場の近くだと判断して犬首を翻した。

走る、走る、走る。

「視えるか。健司」
そう言う英吏に目をつぶって見せる源。
「まってろ」

雷電に乗る自分から遊離し、高く昇る源。
血を流し倒れている竜造寺を見る。死んではいなさそう。無視。
 紅と火焔が突撃のために走っている。これも無視。
丘の上に隠れながら周囲を観察する國分。これだ。
風景を心に焼付け、目を開く健司。口を開く。

「竜造寺は重体。だが魂が抜ける気配はねえ。紅と結城は雷電で走ってた。國分が丘に登ってる」
「あのあたりに丘は3つある」冷静な英吏。
「並んで立ちションした丘だ」源が言う。見晴らしが良かったので二人で小便したところだった。もっともその後、小便直撃ゾーンで松茸らしき茸を発見して二人は大喧嘩している。
「分った。煙は見えたか」英吏は脳裏の地図を広げ、一人作戦会議。
「見えた。北のほうだ」
源の言葉を聞いて英吏は笑った。
「雷電の突撃で砲兵を叩くつもりだ。紅と結城は北上している」
「おいつけるか」
「紅は敵を探しながら走ってる可能性が高い、こっちが全力で直進なら、まあ五分だな」
「上等。いくぜ」
「おぉ」

 二人は並んで前傾姿勢、雷電を全力で駆けさせる。

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「それにしても、なんで斉藤はしゃがんだりしたんだ?」
源の言葉を、英吏は無視した。

しばらく待った後、横を向く源。
「へ、またいつもの秘密主義かよ」
「別に。単なる偶然だ」

源は英吏の顔を見たが、何も読み取れなかった。
そして腹を立てて、いけすかねえ奴だよお前はと言った。

「最低だ。なんだって手前と並んで走ってんだ」
「決まっている。最初から出撃出来なかったからだ」

押し黙って駆ける二人。

「お前、マジで金城好きなのか」不意に口を開く源。

口を開く英吏。
「違う。金城が好きなのではない。奴がなそうとしていることが好きなのだ。あんな風に思って生きられるのなら、さぞ幸せだろうと思う」
「要するに好きなんだろ」源は色々省略した。
「そう言う噂もある」英吏は否定しなかった。

長い間。

「俺が話してやってもいいぜ」

源の申し出に、英吏は金城の幸せを願う金城ファンクラブの一員として心の中で涙したが、源はこれを不気味な沈黙に受け取った。顔をしかめる。

「なんだよ」
「お前が金城と付き合え、源」
「はぁ? 俺が?なんで」顔をしかめる源。口あけた拍子にガムがこぼれた。
「柱は駄目だ」静かに言う英吏。柱は源を甘やかすのでいかん。と考えている。
首を振る健司。
「なんで? いいじゃんか、くーちゃん。俺が手を振ると、顔赤くして逃げたりな。かー。かわいー」
「分った。責任をもって金城にも同じ事をさせよう」静かに言う英吏。
「そう言う問題じゃねえよ。いいか英吏。あいつが俺を見る目を見ろ。あれは獣を狙う猟師の目だ。俺を新技の実験台にしか考えてねえ」源は、本気で言った。
「釣り目だからそう見えるだけだ」英吏は言う。
「そこだよ。俺は釣り目の奴が大っ嫌いだ。ついでにお前も釣り目だ」源は指差しながら言った。
「お前もな」英吏は低レベルの返事を返した後、顔をあげた。口を開く。
「そろそろだ。ヘルメットをかぶれ」

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