NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(40)

 國分の声を聞いて善行は薄く笑った。無線を入れる。
「砲撃だそうです。芝村さん。そちらの用意は?」
「プログラムは出来ている。デバックする暇はないが」
 善行は笑った。優しい笑いだった。
善行が大嫌いな戦争は、だからこそか、善行を出世させ、優しくする。
「よくあることです。でははじめてください。1番どうぞ」

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 木立をかき分け、身の丈9mの大きさの巨人が現れる。
なんのモールドもない、のっぺりした頭の人型戦車。自衛軍伝統の濃い緑色に塗装された、新型機だった。
 二機の栄光号本国仕様は互いに2基の5mの砲身長を持つ90mm砲(零式減口径砲)を持って、今はしゃがみ、そして時を待っている。

一機の胸部上面、目も耳もついているようには見えないが頭に見えなくもない部位が上に跳ね上がった。

 ハッチを開け、胸部上面から身を乗り出すパイロット。瀧川。下を見ないようにしながらケーブルを握りしめ、おっかなびっくりもう一機のほうに渡る。息を吸って、ジャンプ。しゃがんでいても落ちれば5mは転落しそう。
無事ではないが掴まった。よじ登り、首元に巧妙に隠された、本来は戦闘中に使わない整備用の外部アクセスコネクターを開いてケーブルを接続する。

急いで戻る。ジャンプの時一瞬躊躇したが、瀧川は新井木に笑われるぞと自分に言い聞かせて飛んだ。シートに戻り、ハッチ閉鎖。上に跳ね上げられた頭を電動スイッチで戻す。

戦闘室の中は薄暗い。ディスプレイが良く見えるようにするためだった。
集中戦術ディスプレイ横のモードセレクタを瀧川は操作。ウォードレスの手袋越しでも扱える大型ボタン。

仮想キーボードを画面に表示。
通信を入れる。口を開く瀧川。

「101準備よし。ケーブルの接続確認した」
「102了解した」

 一方そのころ、もう一機の栄光号に乗る舞は仮想キーボードではなく本物のキーボードを戦闘室に持ち込んでいた。手袋を外し、流れるようにキーをたたいている。

 舞の画面に瀧川機のデータが表示される。
「プログラムはコピーさせた。起動させろ」
「起動した」
「モードを駐車に変更後、整備試験を選択。ガンコントロールをこちらに渡せ」
「了解した。ユーハブコントロール」
「アイハブコントロール。1番に諸元入力」

舞の操作で瀧川機の右手に持つ90mm砲が動き出した。40度の角度。

「撃て」
自分で声をかけながら右手で把手を引く舞。
瀧川機の持つ砲から煙が上がって埃が舞い上がった。

「101コントロール、芝村。初弾撃った」

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