NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(38)

 竜造寺は通報を続けている。
「こちら竜造寺、聞こえますか。聞こえますか。くそ、まだ無線距離まで味方はたどり着いていないのか」

竜造寺は射撃、拳銃だった。片手で撃っても当たる距離。白く濁った死者の目が飛び出し、竜造寺の胸甲に当たってつぶれた。

「おおいね」
 先内の言葉は、遠慮が過ぎる。
宙を飛ぶヒトウバンの群れが、10も20も取り囲み、次々と襲い掛かって来る。

既に敵は竜造寺と先内の対処の限界を越えており、二人は雷電ジジの背で、共に攻撃をかわすのに必死になっている。70発入りの大型弾倉をつけた騎兵銃も、激戦の中で弾詰りし、いつのまにか消えてしまっている。食いちぎられ、飲まれていった。

「アンフィスバエナだけじゃない。なんだこの敵の量は」
竜造寺の言葉に口を開く先内。
「昨日ご飯の量が多かった幸運の裏返しの不運じゃないかな」
それでも、盲目のせいで死んだクラスメイトの顔を見なくてもいい先内は冗談が言えるくらいには幸運であった。
 竜造寺は胸に込み上げて来るものを堪えながら、戦っている。
 クラスメイトに、先生。ああこの人は僕に告白して来た娘だった。

 せめてこの娘の頭に寄生した幻獣だけは殺してやろうと竜造寺はフルオートで拳銃を撃って弾を使いつくすと、ヘルメットの中で、吐いた。
苦しさでヘルメットを脱ぎ捨て、ヒトウバンに肩を食いちぎられる。
腹部を食いちぎられるのは先内とジジが阻止した。
ヒトウバンは一番弱い人間を狙う。竜造寺を狙っていくつものヒトウバンが群がった。
近くで投げるリスクを承知で、手榴弾を投げる先内。爆発。ヒトウバンたちが吹き飛ぶ。破片が先内のウォードレスの股に突き刺さっていたが、先内はこれぐらいですんだことを昨日の夕食に感謝した。

ジジが吼える。戦闘手を伸ばしてヒトウバンを串刺しにし、跳躍して一匹を踏み付けた。

吼える、吼える。主人の怪我でおとなしいジジが我を失っている。

先内はまずいなとつぶやくと、無線をいれた。
「こちら、竜造寺、先内ペア。恐ろしい量のヒトウバンの群に嬲り殺しにあっている。後どれだけ持つかわからん」

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0