NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(37)

 一方そのころ。
源と英吏はまたもダチの出入りを黙って見ている以下略の金城を止めていた。かなり必死であった。

「ほら、俺達を守ってくれないとなあ。英吏」
「そ、そうだな健司」
 互いに肩を組んで言う源と英吏を見て、綺麗な吊り目を潤ませて泣きそうな顔をする金城。

友達を助けに行きたいのと友達を守らなきゃという思いで、心が裂けそうだった。
 分かってるわよ、それぐらいと言う金城。

 英吏と源は、あわてた。
「な、泣くなよバカ。俺よか強いくせに」
「泣きたいなら健司を叩け。気が楽になるかもしれん」
「まてや英吏。お前さっき共同戦線はるといいやがったろう」
「わからんのか。お前を捨てて作戦を成功させる。所謂捨て駒だ」
 源は元気な方の腕で英吏を殴り、英吏はギプスのはまった方の腕で源を殴った。

互いの頬を変形させたまま、二人は目だけ動かして金城を見た。

 金城は目をごしごしさせている。
痛そうな顔をする源と英吏。実際、心は麻のように乱れた。
「目、目薬いるか。金城」
「ふむ。たしかに」

 金城は目を隠しながら言う。
「なんで私、身体が一個なんだろう。友達の数だけ身体があればいいのに」
「そんなに金城いたら俺達全員蹴り殺されるぜ」源は苦笑して言った。
「一人しかいないのがいいのだ。宝石と同じだ。希少価値がある」
英吏は真顔でそう言った。
顔を変なふうにする源。
「宝石はいいすぎだろ、英吏」
「俺は適切なことしか言わん」
「ぶ。お前金城見たいな暴力女が趣味か、バーカバーカ」
 源は、最後まで言う前に金城のローリングソバットで倒れた。
後頭部をやられてあきらかにまずい倒れ方、意識を刈り取られてぶっ倒れる源を無視し、英吏は金城を見た。

大嫌いと言って走って行く金城。きっと美容院にいってきたとか嘘ついてどこかで大泣きするに違いない。

 英吏は顔を背け、拳を握る。 己は無力だと、そう思った。
必要なら上司でも親でも殺し、味方を囮にしてもなんら恥じることのない英吏だが、こういう時だけは、違った。強く恥を感じた。拳が白くなって震えるほど強く握った。

倒れた源の横腹を蹴る。

「起きろ。健司。監視が遠くに行った。いくぞ」
起き上がる源。
「イテテ、お前さ、俺の心配ちょっとはしろや」
「いかんのか」
 英吏は源は、不良少年そのままに笑った。
「行くに決まって」
「こんにちはー!金城さんにお願いされて戦場なんかにいったりしないように監視にきました! 万事この斎藤奈津子にお任せください!」
源と英吏の顔が同時に歪んだので、斎藤は、ちょっとへこんだ。

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