NOTボーナス PS2版大絢爛舞踏祭

エリザベス・リアティには自慢の息子がいる。
アキやヤガミに続く、3番目の息子で末っ子である小カトーの兄に当たる。少し違うのは、本当の息子である点である。

血がつながっている訳ではない。しかし本当の親子であり息子であった。正式な養子縁組をしていたのである。

エリザベスのキャプテンシートには古風な小さな額があり、そこには正装した息子と自分の3D写真が踊っている。

まるで息子の士官学校の卒業写真みたいだねとは、エリザベスの感想である。顔を引き締めながらどこか笑って椅子に座っている自分の隣に、自慢の息子が微笑んでいる。さらにその後ろには35人の家族たち。

彼女にとっても息子は特別だったが、世界にとっても、息子は特別な存在だった。

髪は黒すぎて青く見え、目は本当の、青だった。
 その瞳は世界を征服するよう、その背は銀河を背負うよう。
笑顔はとても爽やかで、夜明けを思わせた。

 クルスとカオリを何百年も前からの部下のように扱い、ただの一人も殺す事なく地球軍を撤退に追い込んだ。料理好きで、ドランジをからかうことについては天才的だった。

すれ違っただけでだれもが足を止めて振り返る。それは神話の復活である。

 エリザベスはこの息子を見た瞬間に全力で愛すつもりになった。完全無欠の輝きの中に、ひどく寂しくて愛を探している部分を見つけたと思ったからだ。
 彼女には息子がおらず、息子には母がいなかった。

だから親子になった。
公称でも俗称でも息子は希望の戦士と呼ばれていたが、親子の間ではエリザベス・リアティの子、アーシュラ・アツシ・リアティで通っていた。

 その息子が帰って来たのは、3年振である。いつもの通り、ひょっこり顔をだした。ちょうど戦闘中だったが、母の喜びは、いつも通りだった。
エリザベスは深く抱擁した後、背があんまり伸びてないよ、ちゃんと食べてんのかねこの子はと、言った。
「うん。ちゃんと食べてる」
「じゃあもっとお食べ」
「うん。そうする。もういかなきゃ」
「まったく、このドラ息子、もっとゆっくり出来ないのかい」
「ごめん、次の世界の危機が迫っているんだ。この戦いが終わったら、すぐもどらなきゃ」

 エリザベスは息子の言葉の意味は分からなかったが、だが息子は良く理解していた。息子がそう言うからには本当にそうなのだ。
自分の息子はその名の通り暁の子だと彼女は知っている。頭よりずっと下にある部分で、分かっていた。

「今度はちゃんと嫁を連れてくるんだよ。ああ、孫はまだいらないよ。私はそんな年じゃない。そいつは次の次だ。いいね」
「わかった。じゃあ、ちょっといってくるね。おかあさん」
「いっておいで、アーシュラ=アツシ。どこの世界か分からないけど、夜明けを呼んでおいで」

 どこか恥ずかしそうに、息子は微笑んだ。
「うん」

そして親子は同時に背を向けた。
母は敬礼する部下に指示を出した。夜明けの船、潜行用意!
息子は剣を捧げて膝をつく希望号に声をかけた。知恵者の改修を受けた希望号は皇帝号に良く似ており、長い頭飾りが、目についた。

空は、紫色だった。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 23

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた
面白い 面白い 面白い 面白い 面白い
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)
かわいい かわいい