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zoom RSS NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(35)

<<   作成日時 : 2006/04/07 20:51   >>

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 牧原倖の雷電、ブラックと竜造寺紫苑の雷電ジジは兄妹である。2匹はそれぞれ互いの匂いを感知し、吼えて互いを呼び合った。

「近いな」
先内は音だけを頼りに迫るヒトウバンを騎兵銃で殺害した。
射撃は至近距離。目が見えない分恐怖が薄く、敵の接近にも耐えられた。無駄弾が多少多いのは、仕方ない。
「ああ。ジジもそう言っているよ」

竜造寺はそう返事してミノタウロスに押し倒されたと思われる杉の木を雷電で踏み越えると、最後の疾走を行った。
姿が見える。見覚えるのある青みがかかった髪だった。

「牧原君、無事か?」
「竜造寺君、ありがとう」

 雷電に導かれて倖と紫苑は合流する。
再開を喜んだのは3秒。4秒目にはそれぞれ銃を撃って敵を射殺していた。
「敵は?」
先内が冷静に聞いた。泣いている顔を隠そうとする牧原妹には気づかない振りをした。
妹の髪がとろけるように優しく触れる倖。返事をする。
「こちらに来ている。数はまだ増えている。ミノタウロスもいる」
「分かった。先内くん」
 竜造寺の言葉にうなずいた先内は、通信筒に声をいれると、高く差し出した。彼の航空動物兵器、疾風の”ザップ”が足の爪をを広げ、通信筒をつかんで舞い上がって行く。

「敵の側面、できれば後方に回って見る」
 竜造寺は教科書どおりにそう言った。ある方向に進む敵にとって側面に出るということは、それだけで嫌がらせになる。
引き続き、敵の監視と通報も必要だった。

 牧原はうなずき、困った笑顔を浮かべて言った。
「僕の方は、すまない。妹が使い物になりそうもない。どこかに置いて、すぐもどってくる」
 どういうものであれ泣いてすがって一度緊張の糸が途切れると、兵士は兵士として使い物にならなくなる。ただの人間になってしまう。
 置いてという言葉に激しく震える妹、輝春を優しく気遣うように、竜造寺は言った。

「妹さんについては、よくある話だ。それに、妹さんには君が必要だよ、きっと。……隊長には僕からうまいこと言っておくから、ついててあげてくれ」
「でも」
「頼む。牧原君。親父殿と君のご実家の関係についてあえてここで言わせないでくれ」
「……分かりました」
 牧原家は竜造寺の家の陪臣にあたる。
倖は、感謝しながら頭を下げた。

うなずいて視線を外す竜造寺紫苑。
「すまない。行こう、先内くん」
「分かった。追跡されないようにうまく逃げてくれよ、牧原君」
「分かった。ありがとう。先内くん」

逃げ出すように、実際気分的には逃げ出した竜造寺。その後ろに座る先内は十分な距離を取った後、口を開いた。

「甘いね、君も」
「もう沢山だ」
 竜造寺は何かによって傷つき、あるいは腹を立てて言った。
「もう沢山なんだ。隊の兄弟が死ぬのは」

先内は善行さんが牧原君を悪く言ったらどうするんだと考えたが、ため息をついて後で英吏に相談しようと思った。奴は牧原の家も、二人の立場も関係なく、ただ便宜を図るだろうと考える。

かわりに、嫌みだけ言った。
「柱さん以外には優しいことだ」

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