NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(11)

一方その頃。校庭を眺める芝生の上。

 深澤は腕を組んで胡坐をかき、腹を立てていた。頭の上にはトイレットペーパーが乗っている。

 先内さんと雪子ちゃんまでが戦闘に出たのに、何で僕が出れないんですかと、表情がそう物語っている。

隣には長い足を伸ばして竜造寺が寝転がっている。その後ろでは主人に寄り添うように、雷電しては性質が穏やかな彼のジジが、ザラザラの紫色の舌で、自らの毛づくろいをしていた。

「ジジ、可愛いね」
 竜造寺は笑って巨大な雷電の頬をなでた。喜んで顔を近づけるジジ。目を細めてゴロゴロ言った。

 その様を片目をあけて深澤が見ている。

「暢気ですね、紫苑さん」
 竜造寺は、少し笑った。
「やることないからね。仲間外れは、堪えるね」

うなずいてトイレットペーパーを取り落とす深澤。
「全力出撃すりゃいいのに」

 竜造寺はジジになめられて髪の毛を濡らしている。こら、このいたずら娘め。
「村を守らないといけないからね。建前は大事だ。親父殿の言葉さ。僕は、嫌いだけどね。……大丈夫だよ。源は帰ってくる」

やっぱり暢気だと、深澤は憤慨した。そっぽを向く。
「そっちは心配してませんよ。僕は。僕の心配は英吏さんですよ」
「君が英吏の味方をするなんて聞いたことがないな」
「嫌いですよ。大嫌いですぅ。そっちはまあ、どうでもいいわけじゃないけど、あー、もぅ、心配は源さんが英吏さんを殺さないかですよ。源さんには、殺人なんかして欲しくない」

 しばらく深澤の言葉で呆然としていた竜造寺が、発作的に笑った。
「まさか。たしかに仲は悪いけど僕たちは隊の兄弟だよ」
眼鏡を指で押す深澤。

「英吏さんが先に手を出すかもしれない。だいたい、いっつも二人で出歩いてるじゃないですか、今日だって。帰ってくると二人とも怪我してるし」

竜造寺は、考えながら言う。
「柱さんや金城さんの見えてないところで殴り合いの喧嘩するくらい、いいじゃないか。僕だって君とやりあったろう」
「回数が多すぎます」

しばらく考える竜造寺、それでもまだ、まさかと考えていた。
「……そりゃそうだが、英吏はともかく、源は」

トイレットペーパーを拾いながら深澤は言った。
「あの人は源健司ですよ。手加減とか折れるとか、あるわけないでしょう」

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