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zoom RSS ヤガミ復活作戦(1) 敗者復活GAME その1

<<   作成日時 : 2006/03/17 01:47   >>

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 未亡人の名前を、舞踏子という。この際だからヤガミ好きは舞踏子の部分に己の名前を入れて呼ぶと良い。舞踏子=ヒサでも、にゃーしゅでもミサでも、まあこの際どうでもよかろう。
誰か一人の名前を入れると読者の一部がすねそうなので、舞踏子である。まあ、男の義体を使っている例もあるが、便宜上舞踏子と呼ぶ。こちらも好きに読み直していただきたい。

 舞踏子は、悶々としていた。

 ヤガミが死んで記憶チップだけになって帰ってきた日、舞踏子は一睡も出来なかった。
弱い義体は寝るように出来ている。でも、寝れなかった。

死とは何かを考えた。記憶チップには記憶がある。だったらこれは、死体とはいえないかも知れない。動いてないけど。死んだと言うわけではないと、思いたい。
新しい義体を用意して、そうして記憶チップをさしてやれば、部品的には3%くらいだけどヤガミは復活する。 記憶が壊れていたりすることは、考えたくなかった。

 あたまがぐるぐるする。気分が悪い。
戦死公報にエステルとヤガミが結婚していたと書かれてあり、それが舞踏子の気持ちを、さらにぐるぐるにした。深く物事を考えられない。未来予知なんて働かない。

 元気になったヤガミを蹴る。

そればかりを考える。問い詰めて、蹴る。蹴る。蹴る。全部違う蹴り方で蹴り倒して皆が止めるまで足技のオンパレード。これだ。釈明はきかない。百万倍甘い言葉を聴いて色々されるまで許さない。

 普通はエステルに恨みがいってもよさそうだが、ヤガミ好きはそう考えない。

100%ヤガミが悪いと、信じて疑ってない。
世界中の男が同情するような立場に、ヤガミはいる。この信用のされなさ具合はヤガミ特有の性質である。

そうこうしている間に、朝になった。
舞踏子は着替えもブラシも忘れて医療班のキャンプに走った。黒い袋に入れられた仲間達も、気にならないくらい。

サーラがなんで自分にチップを渡したのか、その意味すらも今の舞踏子には分かっていなかった。守護妖精は未来予知どころか何にも出来ない女に成り下がっていた。それもこれも、皆ヤガミのせい。未来予知しようとすると頭がぐるぐるになる。

 長い順番待ちで、舞踏子は震えた。アイアンを探す人々、ドランジを必死に探す人々を横目に、自分では制御できないほど身体が震えだしていた。

戦後処理で野口と話をしていたサーラはまだ手に包帯をしていた。再生ポッドに入る時間もないらしい。
舞踏子に気づき、話がはじまる。事情を説明した後、サーラは大量の鎮静剤を自分に注射しながら、困ったように微笑んで、そして口を開いた。

 記憶チップが破損している。

サーラの言葉をきいて、舞踏子は取り乱した。
遺品なのか死体の一部なのかはわからないが、こんな別れだけは、嫌だった。何もかも裏切られた気分。せめてエステルとの関係を問い詰めた後で死ぬべきだと叫んだところで取り押さえられ、そこで意識を、失った。

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