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zoom RSS 戦闘詳報10 

<<   作成日時 : 2006/03/06 03:20   >>

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 チャーターした輸送機の中で、日本刀を一本だけ抱いた遠坂は頭をかかえている。
金だけを出す予定だったのにと、ぼやいた。
 遠坂は恋人や友人を護るためならさておき、それ以外は話し合いで解決するべきだという主義の人間である。話し合いも通じないようなら、金で解決した。

向かい側に座る中村が笑った。

「遠坂よ」
「なんですか?」
中村は言った。
「あの世までは金はもっていけんぜ」
遠坂は中村を見つめなおした後、微笑んだ。このやり取りは遠坂の毎度の儀式である。剣を抜く前にひとしきり反省するのが彼だった。戦闘が始まれば、今は誰よりも勇敢に戦う。

「若いっていいねえ」
 タバコを吸いながらつぶやく青森恭兵。その隣で御年11歳の金髪少年熊本武士が、どうかなとつぶやいた。

輸送機のハッチが開いた。

空中投下。

中村が空へ足を踏み出して横を見れば、隊列を組んだ輸送機が百機。
一斉に歩兵用対戦車兵器を落とし始めた。

善行はこの戦いの前にいくつかの作戦アンを立てており、そのいずれにも頭の悪い回答を書いてよこしていた。

 全員を歩兵として戦えばいいはその一つである。


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 動かない平穏号を護るように、一人の少女が腕を組んで立っている。
ニーギ、だった。火星行きを説得されたが、断って残っている。

彼女の良人は、自分の心配よりも他人を心配する。
そう言う確信を持っていた。だったらニーギのやることは一つ。
良人が自分に惚れ直すよう、良人の理想を体現するである。

 悪と戦うために生まれてきた炎のような女が好きなら、じゃあそれをやる、というのが、ニーギの恋の生き方である。


 平穏号を蹴ったくる。
「死なしゃしないわよ。ムカつくから。うじうじするのは大っ嫌い」
「相変わらず乱暴でござるな」

 ニーギがいやぁな顔をして振り向いた。
腕を組んで同じポーズの巨大ロボを連れた世界忍者が立っている。
赤いマフラーが、揺れた。

どうでもいいがこういうことを見つかると本部から殺されそうなので、口元を隠すマスクをしている。これで正体が隠れるのだから大したことない悪の団体である。

頭が痛いか、こめかみを押さえるニーギ。
「なんでこんなところに」
「この世に悪があるのなら、その前に立つのが我ら影」
「あのね、いいの?、あんた、仕事の方は悪の秘密結社なんじゃ」
「こっちは趣味。そう、趣味……」

 自分に明らかに酔っているバカ忍者を値踏みするように見て、ニーギは口を開いた。

「……まさか、まだ私に気があるんじゃないでしょうね」

目をそらす世界忍者。
「フン。誰が人妻なんかに、でござる」

半眼になるニーギ。
「この間はそれでも全然いいとか言ってたくせに」
目をそらしたまま笑う世界忍者。
「やはり言われないと寂しいのかな。なんなら言ってやってもいいが」
「そこだけなんで素に戻ってるのよ」
「ああ。失礼。でござる」

頬を膨らませるニーギ。
「む、なんか嫌味な言い方」
機嫌がよくなったか、薄く笑う覆面の世界忍者。

 二人でにらみ合った後、同時に口を開いた。

「いくか。ついてくるなよ」
「いくわよ。絶対ついてこないで」

二人は、走り出す。

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