戦闘詳報7 清子さんHI!

 小太刀はあわててハッチから身を乗り出して、おおと言って戦車を停止させた。
金髪で大変美しいサーラという女医さんがいたのである。

豆腐屋でばったりあったかのように口を開く小太刀。
「この間はうちの虎雄とか、その友達がどうも世話になりました。って。ここは戦場ですよ」

 虎雄が、小太刀の言葉を聴いてあわてて顔を出した。小太刀と同じハッチなので、狭い。
「菅原さんの件はありがとうございました、あと、僕の指も」
「いえいえ。暇でしたからー」

 暇があれば何でも区別なく治療するのがサーラである。
歴史改変のどうこうは知ってたが、彼女は隠れてやれば(ヤガミに)怒られないと、職業犯罪者のようなことを考えてその通り実行していた。

 顔立ちは美しく話し方はバカっぽいが、この女、なかなかやる。

ハッチでは小太刀と虎雄が押し合いへしあいしてる。
「子供は顔引っ込めろ、虎雄」
「鼻の下伸びてますよ、車長」
「バカもん、最初から伸びてる」

 第3の戦士登場。加納が別のハッチから顔を出した。
「で、どうしたんですか」

 照れくさそうに口を開くサーラ。
「それがぁ、敵のところまで連れて行って欲しいのー」
「は?」
 3人が同時に言った。

サーラはてへへと笑った。
「だって、ワタシ、その首領代理になっちゃったぁ」

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 美女を車台に乗せて疾駆する74式と言うのはなんだな。ロマンだったなと小太刀は言った。思えば結婚を申し込むべきだったと思う小太刀。腕を組んでうなだれる。

 うなずきながら腕を組んでうなだれる加納。
「人は見かけによりませんねえ」
「まあ、すぐに仲良くすると言ってたから、いいじゃないですか」
 笑う虎雄。

「仲がいいのが一番だ」
 三輪が言った。

うなずく4人の戦車兵。

「勲章とり損ねたな」
加納が虎雄の肩を叩いた。
インターコムに声をいれる小太刀
「まて、まだドンパチやってる」
「どこですか?」
 虎雄の言葉を流しつつ、ただでさえ細い目を細める小太刀。
「サーラ先生の後ろの方だな。訳の分からんのが出たらしい」

三輪が、思い出したように言った。
「平和になりそこねたな」
 小太刀はいまいましそう。
「それよりかなり劣るが勲章で我慢しよう。戦闘開始。ウチの虎雄の恩人を助ける」

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