戦闘詳報4 谷口説得部隊 戦闘開始前1

 谷口説得部隊が見たのは、脱ぎ捨てられた黒服と、壁にあいた大穴だけであった。
穴から流れる寒風に呆然としていると、後ろから歩いてくる足音がする。

振り向けば、工藤、だった。

「何をやっているんですか。こんなところで」

工藤はそう言った後、居並ぶ兵に優しく微笑んだ。

「谷口ならもう、恋人のところに行ったわ。それよりも戦う準備を。8本腕がここまで来るわ」


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 時は30分前に戻る。

 そうして、色々あったものの、今も二人は大の親友だと、工藤はつぶやいた。
正体がばれても、女性化がどんどん進んでも、変わらない。

谷口竜馬、なんて気持ちのいい奴だろう。

 ドアを開ける。

相変わらずまめに書類仕事をしている谷口を見つけて工藤は微笑んだ。

「病院から連絡がありました。たぶんもう、これが最後だと」

顔をあげた谷口が、書類を盛大に落とした。

「呆然とする暇なんて、ないですよ」
工藤は明るくそう言って、包みを渡しながらまた言った。

「ここは私に任せて。いってらっしゃい」

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